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トップページ過去問研究室(労働安全衛生法) 平成15年労基-第9問(健康診断等)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成15年労基-第9問(労働安全衛生法に定める健康診断等)

労働安全衛生法に定める健康診断等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)事業者は、事業に附属する食堂又は炊事場における給食の業務に従事する労働者に対し、その雇入れの際又は当該業務への配置替えの際及び1年以内ごとに1回、定期に、検便による健康診断を行わなければならない。

(B)事業者は、いわゆるパートタイム労働者に対しても、その者の1週間の労働時間数が当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の3分の2以上の場合には、労働安全衛生法第66条に規定する健康診断を実施しなければならない。

(C)いわゆる一般健康診断において、ある労働者が要精密検査と診断された場合、事業者は、当該一般健康診断実施義務の一環として、当該精密検査を、その責任において行わなければならない。

(D)常時50人以上の労働者を使用する事業者は、常時使用する労働者に対し、1年以内ごとに1回、定期に、歯及びその支持組織に関し、歯科医師による健康診断を行わなければならない。

(E)事業者が労働安全衛生規則第52条の規定に基づき所轄労働基準監督署長に提出すべき定期健康診断結果報告書には、当該健康診断を当該事業場の産業医が行わず企業外の健康診断実施機関が実施した場合であっても、当該事業場の産業医の記名押印又は署名がなされなければならない。



■解説

(A)誤り
法66条1項、則47条
給食の業務に従事する労働者に対する検便については、「1年以内ごとに1回定期に」行う必要はなく、雇入れ時と給食業務への配置換えの際に行えばよいとされている。

(B)誤り
法66条1項、則44条、平成5年12月1日基発663号
パートタイム労働者に対して健康診断を実施しなければならないのは、パートタイム労働者の1週間の労働時間数が、当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3以上の場合である。
よって、問題文中の「3分の2以上」を「4分の3以上」にすれば正しい肢となる。

(C)誤り
健康診断結果に基づき事業者が講ずるべき措置に関する指針(平成18年3月31日)
再検査又は精密検査は、診断の確定や症状の程度を明らかにするものであり、一律には事業者にその実施が義務付けられているものではないが、有機溶剤中毒予防規則、鉛中毒予防規則、特定化学物質障害予防規則及び高気圧作業安全衛生規則に基づく特殊健康診断として規定されているものについては、事業者にその実施が義務付けられているので留意する必要がある。

(D)誤り
法66条3項、令22条3項、則48条
事業者は、事業の規模に関係なく、有害な業務に常時従事する労働者に対し、その雇入れの際、当該業務への配置換えの際、当該業務に従事してから6か月以内ごとに1回定期に歯科医師による健康診断を行う必要がある。
なお、歯科検診が義務づけられている有害な業務とは、「塩酸、硝酸、硫酸、亜硫酸、弗化水素、黄りんその他歯又は歯又はその支持組織に有害な物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務」とされている。

(E)正解
法13条1項、66条1項、則13条、則52条、昭和48年3月19日基発145号、昭和53年8月28日基発472号
健康診断は産業医を選任している事業場であっても健康診断実施機関に委託して実施しても差し支えない。
しかしながら、法13条には産業医に労働者の健康管理を行わせることが定められているので、最終判定は産業医が行うことが望ましいとされている。
そして、産業医に当該事業場の労働者の健康診断実施結果を承知させ、その後の適切な健康管理に資するため、定期健康診断報告書には、産業医の記名押印又は署名が必要とされている。

  

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