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トップページ過去問研究室(労働安全衛生法) 平成17年労基-第8問(安全衛生教育)
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■平成17年労基-第8問(労働安全衛生法に定める安全衛生教育)

労働安全衛生法に定める安全衛生教育に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)労働者がその事業における派遣就業のために派遣されている派遣先の事業に関しては、労働安全衛生法第59条第2項の規定に基づく作業内容変更時の安全衛生教育は派遣元事業主及び派遣先事業主が、同条第3項の特別の安全衛生教育は派遣先事業主が、それぞれ行わなければならない。

(B)労働安全衛生法上、雇入れ時の健康診断の対象となる労働者と雇入れ時の安全衛生教育の対象となる労働者は、いずれも常時使用する労働者である。

(C)事業者は、労働安全衛生法第59条第3項の規定に基づく安全又は衛生のための特別教育を行ったときは、当該特別教育の受講者、科目等の記録を作成し、これを2年間保存しておかなければならない。

(D)労働安全衛生法第59条第3項の規定に基づく安全又は衛生のための特別の教育の実施に要する時間は、業務との関係が深く、労働時間と解されるが、同条第1項の規定に基づく雇入れ時の安全衛生教育が法定労働時間外に行われた場合には、労働基準法第37条の規定に基づく割増賃金を支払うまでの必要はない。

(E)建設業に属する事業を行う特定元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者の作業が同一の場所において行われることによって生じる労働災害を防止するため、当該場所で新たに作業に従事することとなった関係請負人の労働者に対して、必要な安全衛生教育を行わなければならない。



■解説

(A)正解
法59条2項・3項、労派遣法45条1項・3項
作業内容変更時の安全衛生教育は派遣元及び派遣先の事業者が行い、特別の安全衛生教育は派遣先の事業者が行うことになっている。
なお、雇入れ時の安全衛生教育については、派遣元の事業者が、職長教育については派遣先の事業者がそれぞれ行うことになっている。

(B)誤り
法59条1項、則35条1項、則43条
雇入れ時の健康診断は、「常時使用する労働者が対象」となるが、雇入れ時の安全衛生教育は、「雇入れた労働者(常時使用する労働者に限らず)すべてが対象」となる。

(C)誤り
法59条3項、則38条
事業者は、特別教育を実施した場合、受講者、科目等の記録を作成し、これを3年間保存しておく必要がある。
ちなみに、安全衛生教育を実施した場合に記録の作成及び保存が義務づけられているのは特別教育のみである。

(D)誤り
法59条3項、昭和47年9月18日基発602号
雇入れ時の安全衛生教育の実施に要する時間も労働時間とされている。
よって、法定労働時間外に行った場合には、割増賃金を支払う必要がある。

(参考)
一般健康診断を受診するための時間について賃金を支払うかどうかは、労使で協議して決めるものであるが、事業者が賃金を支払うのが望ましいとされている。(別に無給にしても問題ない)
しかし、特殊健康診断の場合は、事業を遂行するために当然行うべきものであるので、実施に要する時間も労働時間とされ、法定労働時間外に特殊健康診断を行った場合には、割増賃金を支払う必要があるとされている。

(E)誤り
法31条1項4号
関係請負人の労働者に対して安全衛生教育を行わなければならないのは、特定元方事業者ではなく、当該労働者の事業主である関係請負人である。
なお、特定元方事業者は、関係請負人が行う労働者の安全衛生教育に対して指導及び援助を行わなければならないとされている。

  

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