社会保険労務士試験に楽に合格する方法論を研究するサイト
社会保険労務士試験情報局
トップページ過去問研究室(労働安全衛生法) 平成26年労基-第8問(労働安全衛生法の総則等)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成26年労基-第8問(労働安全衛生法の総則等)

労働安全衛生法の総則等に関する次の記述のうち、労働安全衛生法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。

(ア)労働安全衛生法では、「事業者」は、「事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者をいう。」と定義されている。

(イ)労働安全衛生法第3条第3項においては、建設工事の注文者等仕事を他人に請け負わせる者について、「施工方法、工期等について、安全で衛生的な作業の遂行をそこなうおそれのある条件を附さないように配慮しなければならない。」と規定されている。

(ウ)労働安全衛生法第122条のいわゆる両罰規定について、事業者が法人の場合、その法人の代表者がその法人の業務に関して同条に定められている各規定の違反行為をしたときは、当該代表者が「行為者」として罰せられるほか、その法人に対しても各本条の罰金刑が科せられる。

(エ)労働安全衛生法第29条第2項には、元方事業者の講ずべき措置等として、「元方事業者は、関係請負人又は関係請負人の労働者が、当該仕事に関し、この法律又はこれに基づく命令の規定に違反していると認めるときは、是正のため必要な指示を行わなければならない。」との規定が置かれており、この規定の違反には、罰則が付いている。

(オ)労働安全衛生法第3条第2項では、機械、器具その他の設備の製造者の責務として、機械、器具その他の設備の製造に際して、これらの物が使用されることによる労働災害の発生の防止に資するように努めなければならない旨が規定されている。

(A)一つ

(B)二つ

(C)三つ

(D)四つ

(E)五つ

■解説

(ア)誤り
法2条3項
労働安全衛生法においては、「事業者」は「事業を行う者で、労働者を使用するものをいう。」と定義されている。
よって、問題文は誤りとなる。
なお、問題文の定義は労働基準法の「使用者」についてのものである。

(イ)正解
法3条3項
建設工事の注文者等仕事を他人に請け負わせる者は、施工方法、工期等について、安全で衛生的な作業の遂行をそこなうおそれのある条件を附さないように配慮しなければならないとされている。
よって、問題文は正解となる。

(参考)
労働安全衛生法3条(事業者等の責務)

1.事業者は、単にこの法律で定める労働災害の防止のための最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない。また、事業者は、国が実施する労働災害の防止に関する施策に協力するようにしなければならない。
2.機械、器具その他の設備を設計し、製造し、若しくは輸入する者、原材料を製造し、若しくは輸入する者又は建設物を建設し、若しくは設計する者は、これらの物の設計、製造、輸入又は建設に際して、これらの物が使用されることによる労働災害の発生の防止に資するように努めなければならない。
3.建設工事の注文者等仕事を他人に請け負わせる者は、施工方法、工期等について、安全で衛生的な作業の遂行をそこなうおそれのある条件を附さないように配慮しなければならない。

(ウ)正解
法122条
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、労働安全衛生法122条に規定された違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科することとしている。(両罰規定)
よって、問題文は正解となる。
なお、両罰規定は、行為者処罰主義をとった結果、事業主の責任をも同時に追求する必要があることにかんがみ設けられたものである。

(エ)誤り
法29条、第12章(罰則)
元方事業者は、関係請負人又は関係請負人の労働者が、当該仕事に関し、労働安全衛生法又はこれに基づく命令の規定に違反していると認めるときは、是正のため必要な指示を行なわなければならないことになっているが、この規定に違反しても罰則は設けられていない。
よって、「この規定の違反には、罰則が付いている。」とした問題文は誤りとなる。

(参考)
労働安全衛生法29条(元方事業者の講ずべき措置等)

1.元方事業者は、関係請負人及び関係請負人の労働者が、当該仕事に関し、労働安全衛生法又はこれに基づく命令の規定に違反しないよう必要な指導を行なわなければならない。
2.元方事業者は、関係請負人又は関係請負人の労働者が、当該仕事に関し、労働安全衛生法又はこれに基づく命令の規定に違反していると認めるときは、是正のため必要な指示を行なわなければならない。
3.上記の指示を受けた関係請負人又はその労働者は、当該指示に従わなければならない。

(オ)正解
法3条2項
機械、器具その他の設備を設計し、製造し、若しくは輸入する者、原材料を製造し、若しくは輸入する者又は建設物を建設し、若しくは設計する者は、これらの物の設計、製造、輸入又は建設に際して、これらの物が使用されることによる労働災害の発生の防止に資するように努めなければならないことになっている。
よって、問題文は正解となる。

(参考)
労働安全衛生法3条(事業者等の責務)

1.事業者は、単にこの法律で定める労働災害の防止のための最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない。また、事業者は、国が実施する労働災害の防止に関する施策に協力するようにしなければならない。
2.機械、器具その他の設備を設計し、製造し、若しくは輸入する者、原材料を製造し、若しくは輸入する者又は建設物を建設し、若しくは設計する者は、これらの物の設計、製造、輸入又は建設に際して、これらの物が使用されることによる労働災害の発生の防止に資するように努めなければならない。
3.建設工事の注文者等仕事を他人に請け負わせる者は、施工方法、工期等について、安全で衛生的な作業の遂行をそこなうおそれのある条件を附さないように配慮しなければならない。

※正解は、(イ)(ウ)(オ)であるため、(C)が正解となる。

  

→社会保険労務士試験過去問研究室(労働安全衛生法)に戻る
Copyright (C) 2005 社会保険労務士試験情報局 All Rights Reserved