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トップページ過去問研究室(労働安全衛生法) 平成29年労基-第8問(労働安全衛生法の適用等)
■社会保険労務士試験過去問研究室





■平成29年労基-第8問(労働安全衛生法の適用等)

労働安全衛生法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)労働安全衛生法は、基本的に事業者に措置義務を課しているため、事業者から現場管理を任されている従業者が同法により事業者に課せられている措置義務に違反する行為に及んだ場合でも、事業者が違反の責めを負い、従業者は処罰の対象とならない。

(B)労働者が事業場内における負傷により休業した場合は、その負傷が明らかに業務に起因するものではないと判断される場合であっても、事業者は、労働安全衛生規則第97条の労働者死傷病報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。

(C)労働安全衛生法は、機械、器具その他の設備を設計し、製造し、又は輸入する者にも、これらの物の設計、製造又は輸入に際して、これらの物が使用されることによる労働災害の発生の防止に資するよう努めることを求めている。

(D)労働安全衛生法は、原材料を製造し、又は輸入する者にも、これらの物の製造又は輸入に際して、これらの物が使用されることによる労働災害の発生の防止に資するよう努めることを求めている。

(E)労働安全衛生法は、労働基準法と一体的な関係にあるので、例えば「この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、」に始まる労働基準法第1条第2項に定めるような労働憲章的部分は、労働安全衛生法の施行においても基本となる。



■解説

(A)誤り
法26条、法120条、法122条、昭和47年9月18日発基91号
労働安全衛生法違反があった場合の罰則の適用は、法第122条に基づいて、当該違反の実行行為者たる自然人に対しなされるほか、事業者たる法人または人に対しても各本条の罰金刑が課せられることとなる。
よって、「従業者は処罰の対象とならない」とした問題文は誤りとなる。

(B)正解
則97条1項
事業者は、労働者が労働災害その他就業中又は事業場内若しくはその附属建設物内における負傷、窒息又は急性中毒により死亡し、又は休業したときは、遅滞なく、報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならないことになっている。
よって、就業中又は事業場内若しくはその附属建設物内における負傷等である場合は、労働災害かどうかに関係なく報告書を提出する必要がある。

(C)正解
法3条2項
機械、器具その他の設備を設計し、製造し、若しくは輸入する者、原材料を製造し、若しくは輸入する者又は建設物を建設し、若しくは設計する者は、これらの物の設計、製造、輸入又は建設に際して、これらの物が使用されることによる労働災害の発生の防止に資するように努めなければならないこととされている。
よって、問題文は正解となる。

(D)正解
法3条2項
機械、器具その他の設備を設計し、製造し、若しくは輸入する者、原材料を製造し、若しくは輸入する者又は建設物を建設し、若しくは設計する者は、これらの物の設計、製造、輸入又は建設に際して、これらの物が使用されることによる労働災害の発生の防止に資するように努めなければならないこととされている。
よって、問題文は正解となる。

(E)正解
法1条、昭和47年9月18日発基91号
労働安全衛生法第1条の目的の中で「労働基準法と相まって、労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とする。」と謳っている趣旨に則り、労働安全衛生法と労働基準法とは、一体的な運用が図られなければならないものであるとされている。
よって、問題文は正解となる。

  

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