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トップページ過去問研究室(労働安全衛生法) 平成30年労基-第8問(派遣労働者の安全衛生の確保)
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■平成30年労基-第8問(派遣労働者の安全衛生の確保)

派遣労働者の安全衛生の確保に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)派遣元事業者は、派遣労働者を含めて常時使用する労働者数を算出し、それにより算定した事業場の規模等に応じて、総括安全衛生管理者、衛生管理者、産業医を選任し、衛生委員会の設置をしなければならない。

(B)派遣労働者に関する労働安全衛生法第66条第2項に基づく有害業務従事者に対する健康診断(以下本肢において「特殊健康診断」という。)の結果の記録の保存は、派遣先事業者が行わなければならないが、派遣元事業者は、派遣労働者について、労働者派遣法第45条第11項の規定に基づき派遣先事業者から送付を受けた当該記録の写しを保存しなければならず、また、当該記録の写しに基づき、派遣労働者に対して特殊健康診断の結果を通知しなければならない。

(C)派遣労働者に対する労働安全衛生法第59条第1項の規定に基づく雇入れ時の安全衛生教育は、派遣先事業者に実施義務が課せられており、派遣労働者を就業させるに際して実施すべきものとされている。

(D)派遣就業のために派遣され就業している労働者に関する機械、器具その他の設備による危険や原材料、ガス、蒸気、粉じん等による健康障害を防止するための措置は、派遣先事業者が講じなければならず、当該派遣中の労働者は当該派遣元の事業者に使用されないものとみなされる。

(E)派遣元事業者は、派遣労働者が労働災害に被災したことを把握した場合、派遣先事業者から送付された所轄労働基準監督署長に提出した労働者死傷病報告の写しを踏まえて労働者死傷病報告を作成し、派遣元の事業場を所轄する労働基準監督署長に提出しなければならない。



■解説

(A)正解
法10条1項、法12条1項、法13条1項、法18条1項、労働者派遣法45条、平成21年3月31日基発0331010号、平成27年9月30日基発0930第5号
派遣元事業者は、派遣労働者を含めて常時使用する労働者数を算出し、それにより算定した事業場の規模等に応じて、@総括安全衛生管理者、衛生管理者、産業医等の選任等、A衛生委員会の設置等を行うこととされている。
よって、問題文は正解となる。

(B)正解
法66条2項、法66条の3、労働者派遣法45条3項、平成21年3月31日基発0331010号、平成27年9月30日基発0930第5号
派遣労働者に関する特殊健康診断の結果の記録の保存は、派遣先事業者が行わなければならないが、派遣労働者については、派遣先が変更になった場合にも、当該派遣労働者の健康管理が継続的に行われるよう、労働者派遣法第45条第11項の規定に基づき、派遣元事業者は、派遣先事業者から送付を受けた当該記録の写しを保存しなければならないこととされている。
また、派遣元事業者は、当該記録の写しに基づき、派遣労働者に対して特殊健康診断の結果を通知しなければならず、さらに、派遣元事業主は、派遣先が行った特殊健康診断の結果に基づく就業上の措置の内容に関する情報の提供を求めることとされている。
よって、問題文は正解となる。

(C)誤り
法59条1項、労働者派遣法45条、平成21年3月31日基発0331010号、平成27年9月30日基発0930第5号
雇入れ時の安全衛生教育の実施の義務は、派遣元事業者のみに課せられている。
よって、「派遣先事業者に実施義務が課せられており」とした問題文は誤りとなる。
なお、作業内容変更時の安全衛生教育の実施の義務は、派遣先事業者及び派遣元事業者の双方に課せられており、特別の教育実施の義務は、派遣先事業者のみに課せられている。

(D)正解
法20条1号、法22条1号、平成21年3月31日基発0331010号、平成27年9月30日基発0930第5号
派遣労働者の安全衛生を確保するためには、派遣先事業者が、派遣労働者は一般的に経験年数が短いことに配慮し、派遣労働者の危険又は健康障害を防止するための措置等を現場の状況に即し適切に講ずることが重要であることとされている。
よって、問題文は正解となる。

(E)正解
法100条、労働者派遣法45条15項、平成21年3月31日基発0331010号、平成27年9月30日基発0930第5号
派遣元事業者は、派遣労働者が労働災害に被災したことを把握した場合、派遣先事業者から送付された所轄労働基準監督署に提出した労働者死傷病報告の写しを踏まえて労働者死傷病報告を作成し、派遣元の事業場を所轄する労働基準監督署に提出することとされている。
よって、問題文は正解となる。
なお、派遣元事業者は、派遣労働者が労働災害に被災した場合、派遣先事業者から当該労働災害の原因や対策について必要な情報提供を求め、雇入れ時等の安全衛生教育に活用するとともに、当該労働災害に係る業務と同種の業務に従事する派遣労働者にこれらの情報を提供することとされている。

  

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