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トップページ社会保険労務士試験情報局ブログ版バックナンバー健康保険法その1 2006/01/31
■健康保険法




■海外で療養を受けた場合

健康保険法では、国内で治療を受けた場合だけでなく、海外で療養を受けた場合にも保険給付されることになっています。
ただし、治療目的で海外に行った場合は支給されません。

海外旅行中に急に腹痛に襲われた場合などは、現地の医療機関で診察をうけることになりますが、当然、日本の健康保険証を持って行っても使えません。

なので、とりあえずその場では、治療費について全額支払っておく必要があります。
そして日本に帰国してから、加入している医療保険者(健康保険組合や社会保険事務所など)に「療養費」の請求をすることになります。

※よって必ず領収証はもらっておかなければなりません。

療養費とは、やむを得ない理由等で保険医療機関(保険証を提示し、窓口負担を支払えばOKの病院のこと)で受診できなかった場合は、支払った医療費のから窓口負担分(原則3割)を差し引いた金額を保険給付してくれる制度です。

海外で療養をうけた場合もこの「やむを得ない理由」に該当します。

でも、ここで注意しなければならないことは、支払った金額(日本円に直した金額)の原則7割分が全額保険給付されるわけではないことです。

ご存知の方も多いと思いますが、例えばアメリカの場合だと入院して手術をした場合は何十万円も支払わなければなりません。
そして、その金額は日本の病院での金額よりすごく高額です。

療養費として保険給付される場合は、受診した病名に対する1日あたりの基準額が決まっていますので、実際に支払った金額とその基準額のどちらか低い方の額の原則7割分が給付されることになります。

わかりにくいと思いますので例をあげますと(←私が説明のために思いつきで考えた例ですので、実際の金額とは異なります。)

アメリカで歯の治療をうけた場合だと、10万円くらい支払うことは稀ではありません。

それを日本の基準額に直すと大体4,000円くらいです。よって療養費として保険給付される金額は2,800円です。残りの9万円以上の治療費は全額自己負担になってしまうのが現状です。

なので、海外旅行に行く場合は、必ず任意で障害保険に加入しておくことをおすすめします。
ちなみに任意保険から給付をうけても、海外療養費の請求はできます。

あと、海外療養費の請求を保険者にする場合には、専用の申請書があり、診療を担当した医師に記載してもらわないといけない事項もあります。(実際に申請する場合は、記載事項を翻訳し翻訳者の署名が必要になります。)

帰国したあとに書いてもらうのは難しいと思いますので、海外旅行に行くときは事前に保険者に「海外療養費支給申請書」をもらっておき一緒にもっていくのが良いでしょう。

社会保険労務士試験対策では、海外療養費の支給する場合の為替レートは「売りレート」で「保険者が支給の決定をする日のレートを用いる」ということです。

では。

  

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