社会保険労務士試験に楽に合格する方法論を研究するサイト
社会保険労務士試験情報局
トップページ社会保険労務士試験情報局ブログ版バックナンバー健康保険法その1 2006/02/03
■健康保険法




■健康保険の使用が制限される場合

昨日は「健康保険が使えない場合」について書きましたので、今日は「健康保険の使用が制限される場合」について書いていきたいと思います。

業務災害では健康保険の給付されないが、では「業務災害や通勤災害でなければ常に給付されるのか?」というとそうではありません。

まず健康保険法の制度趣旨ですが、健康保険は、偶発的に発生した疾病等に対して、保険給付を行うことにより、相互に救済しようとする相互扶助の精神で運営されるものなので、制度の秩序を乱し、適正な運営を阻害する行為に対しては保険給付を制限することになっています。

具体的な給付制限の事由ですが、

まず、故意の犯罪行為や故意に給付事由を発生させた場合は保険給付は行われない。(全部給付制限)
自殺の場合で、即死せずに療養を受けた場合などはこの規定に該当します。でも、自殺の場合であっても埋葬料は「死亡は一回限りの絶対的な事故」というで給付されます。

この規定に該当するがどうかの判断基準は、「給付事由が生じることを事前に予測できたかどうか?」というところにあります。

行政解釈では、次のように判断しています。

「料亭で泥酔し、隣室に乱入し、他客を殴打し、その客が怒り、炊事場から出刃包丁を持ち来り、突き刺し即死せしめたときは、故意に事故を生ぜしめたとは認め難い。(昭和2年8月5日保理第2986号)」

これはどうみても泥酔して乱入したほうが悪いと思うが、事前に反撃されるのを予測したかどうかがポイントなんだろうか?

なお、精神疾患等で認識能力がないものに対しては故意の問題は生じませんので、注意してください。


(試験対策)
故意の犯罪行為等の場合は保険給付は「全部」制限される。問題で「全部又は一部」となっていたらバツです。
条文は第116条です。

では。

  

→健康保険法その1に戻る
Copyright (C) 2005 社会保険労務士試験情報局 All Rights Reserved