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トップページ社会保険労務士試験情報局ブログ版バックナンバー健康保険法その1 2006/04/17
■健康保険法




■続、医療費を返してもらうには?

今日は昨日の続きを書いていきたいと思います。

ちなみに、意図的に続きにしたのではなく、ちょっと長くなりそうだったんで、2回に分けてしまいました。

昨日の復習を少ししますと

病院から保険者に請求される医療費は審査機関である社会保険診療報酬支払基金によってチェックされ、場合によっては、治療が過剰や不適切であとして請求額が減額されることがあります。

そして、審査機関で減額された場合は、保険者には減額後の医療費を基にした保険者負担分が請求されることになるが、治療をうけた本人は審査前の医療費を基準にした窓口負担をしており、医療費が減額されたことがわからないので、結果的に過分に窓口負担をしていることになります。

では、治療を受けた本人はどのようにして、医療費が減額されたことを知るのか?

そして、多く負担した窓口負担額をどのようにして返してもらうのか?ということについて今日は書いていきたいと思います。

1.医療費の総額が審査機関で減額されたかどうか知る方法

もし加入している医療保険の保険者が「医療費通知」なるものを発行しているのであれば、そこに記載されている、窓口負担額と実際に支払った窓口負担が違うかどうかで確認することが可能です。

加入している医療保険の保険者が「医療費通知」を発行していない場合は、残念ながら知ることはできません。

しかしながら、審査機関のチェックで医療費が減額された結果、実際に窓口負担した自己負担額と減額後の医療費から計算した自己負担額の間に10,000円以上の差がでた場合は、保険者はそのことを治療を受けた本人に通知しなければならないことになっていますので、10,000万円以上過分に支払っている場合は通知してもらえます。

社会保険事務所の場合は不明(私が知らないだけかも?)ですが、国民健康保険や健康保険組合の場合は通達が出ています。

(通達)
国民健康保険における医療費通知の適切な実施について(昭和60年4月30日保険発第42号)
健康保険組合における医療費通知の適切な実施について(昭和60年4月30日保険発第41号)

(具体例)
病院で治療を受けた医療費総額が10万円でそのうち3万円を窓口負担しているとします。
そして審査機関で4万円減額され医療費総額が6万円になった場合は実際に負担した3万円と減額後の医療費を基に計算した負担金1万8千円の差額が1万2千円になりますので通知の対象になります。

そして、医療費通知もなく、負担金が1万円以上の減額されていない場合は、最終手段として保険者に対して「レセプトの開示請求」を行う方法が残されています。
レセプト開示請求は、加入している医療保険者に聞くと教えてもらえますので、意外と簡単にすることができます。

レセプトを実際に確認すると、もし審査機関で減額されていた場合は、元の医療費が訂正され、減額された医療費が記載されていますので、そこから知ることが可能です。

2.審査で減額された結果、多く支払ったことになる窓口負担分の金額を取り戻すには?

まず、審査機関で減額されたという、たしかな証拠を手に入れるために、「レセプトの開示請求」を行います。

そして、窓口負担で支払った領収書と開示請求したレセプトをもって病院に行き「返してほしい」と請求します。
※ここは結構勇気がいるかもしれません。でも正当な主張である以上全然問題ありません。

ここから先は、私も人に聞いた話しで、自分自身で現実に請求したわけではないのですが・・・。

結果は、すんなり返してくれる病院もあれば、「審査機関で減額されたとしても、現にあなたはその分の医療サービスをうけているんだから・・・」と言って返還に応じてくれないところもあるようです。

減額された金額が多く、返還をうける可能性のある金額が多い場合で、すんなり返還に応じてくれない場合には、内容証明郵便で請求する方法もあります。


(試験情報)
社会保険労務士試験センターのHPで第38回(平成18年度)社会保険労務士試験の詳細が公示されています。
受験申込受付期間は、平成18年4月17日(月)から平成18年5月31日(水)までです。

なお、郵送での申込は平成18年5月31日(水)までの消印があるものが有効なんで注意してくださいね。

参考
社会保険労務士試験センター

  

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