社会保険労務士試験に楽に合格する方法論を研究するサイト
社会保険労務士試験情報局
トップページ社会保険労務士試験情報局ブログ版バックナンバー健康保険法その2 2006/06/22
■健康保険法




■傷病手当金の継続給付-事例1(解説編)

昨日は仕事で、急遽出て行かないといけなくなり、帰ってきてからも業務に追われていました。
なので、少し余裕がなくなり、更新ができませんでした。

みなさん、結構アクセスしていただいていましたんで、本当に申し訳ないです。(ペコリ、ペコリ、ペコリ)

早速、解説を書いていきますね。

まず、問題ですが、再度アップします。

(問題)
会社を退職したAさん。
このAさんは、退職する少し前から病気になり、調子が悪かったんですが、(医師の意見では労務不能状態)退職日までは、無理して勤務していました。
しかし、退職して緊張の糸が切れたのか、退職日の翌日から、入院していましました。(以前からかかっていた傷病で・・・)
Aさんは長年勤務していましたので、退職日まで継続して1年以上の被保険者期間があります。

この場合、Aさんは資格喪失後の傷病手当金を受けることができますか?

なお、Aさんは任意継続被保険者にはなってません。

(解説)
この場合のAさんは、退職時に労務不能状態であったとしても、がんばって出勤していたので、傷病手当金の受給要件である「療養のための労務不能」という要件を満たすことができていません。

なので、資格喪失した際に「保険給付を受ける者」という条件に該当せず、残念ながら傷病手当金の継続給付を受けることはできません。

しかし、任意継続被保険者になった場合は、被保険者として傷病手当金を受けることができます。


(参考)
ちなみに、退職する前から労務不能状態になり、欠勤していたが、会社から報酬が支払われていたために、傷病手当金が支給されていなかった場合には、退職により、報酬が支払われなくなるので、傷病手当金が支給されることになります。(資格喪失後の継続給付の要件は満たしてないとダメですが・・・)

なぜなら、この場合は、労務不能状態で実際に「欠勤」しているために傷病手当金の支給要件は満たしているが、会社からの報酬に支払いがあるために法108条の報酬との調整規定により、「支給停止」になっているにすぎず、退職により報酬がストップし、支給停止が解除されるからです。

なので、上記の問題の場合は「出勤していために傷病手当金の支給要件を満たしていない」という点で異なります。

このあたりは、混乱する方が結構いらっしゃるようなので、念のために書いておきました。

以上


(ご注意)
平成19年4月1日から任意継続被保険者期間中に労務不能状態になっても傷病手当金は支給されなくなりました。
しかし、退職後の傷病手当金の継続受給の要件を満たした人が、たまたま任意継続被保険者となった場合は、継続受給として傷病手当金を受けることができますので注意してくださいね。

  

→健康保険法その2に戻る
Copyright (C) 2005 社会保険労務士試験情報局 All Rights Reserved