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トップページ社会保険労務士試験情報局ブログ版バックナンバー健康保険法その2 2006/07/29
■健康保険法




■出産に関する給付の被保険者要件その3(解説編)

出産育児一時金に関する解説もそろそろ終わりに近づいてきました。

次は、資格喪失後の給付に関する解説、その後は出産手当金の解説にいきたいと思っています。

しかし、最近は少しアクセス数が減っているんですよね。

みんなに飽きられてきたのかな?

有益な情報提供ができるようにがんばりますので、見捨てないでくださいね。(笑)

さて、昨日の質問の解説です。
ヒントが余計に迷わす原因になったかもしれませんが・・・。

(質問3)
妊娠4ヶ月以上の被保険者が、不幸にして分娩開始と同時に亡くなりました。
しかし、医師はそのまま分娩を継続し、無事に胎児を排出しました。
この場合は、出産育児一時金は支給されるのでしょうか?

(解説3)
不幸にして分娩開始直後に亡くなったが、医師がそのまま分娩を継続し、胎児を排出した場合は、「分娩は生存中に開始し、(死亡後であっても)分娩を完了」しているので、健康保険給付の原則(被保険者対して支給する)の例外的な取り扱いとして、出産育児一時金が支給されることになります。

なお、このケースに関する行政解釈は次のようになされています。

「被保険者が妊娠8か月で早産の場合、分娩開始と同時に心臓麻痺を起こし死亡したが、医師はそのまま胎児を娩出せしめたときは、出産育児一時金は支給する。なんとなれば、分娩は生存中に開始され、たまたま分娩完了前に死亡が競合したにすぎず、かつ、死亡後といえども、分娩を完了せしめたのみならず、たとえ被保険者が死亡したとするもその当日は依然被保険者としての資格を有するべく分娩に関する出費は生存中分娩完了したときと同様であるからである。(昭和8年3月14日保規第61号)」

ちなみに、質問のケースの場合、出産育児一時金の請求は、民法上の相続人がすることになります。

以上

  

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