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トップページ社会保険労務士試験情報局ブログ版バックナンバー 2006/04/15
■労働者災害補償保険法




■通勤災害に関する判決

介護帰りの交通事故について、通勤災害に該当するか否かが争われた裁判で、大阪地裁判決は「通勤災害」に当たると判断したようです。

毎日新聞の2006年4月13日10時10分の記事です。

(引用開始)
仕事を終えて介護のため義父の家に立ち寄り、そこから帰宅途中に交通事故で大けがをした−−。こんな事故が通勤災害に当たるかどうかが争われた裁判で、大阪地裁は12日、大阪府富田林市の男性(58)の訴えを認め、国(羽曳野労働基準監督署長)の労災保険法に基づく休業給付不支給決定を取り消す判決を出した。山田陽三裁判長は介護による「寄り道」を「日常生活上必要なもの」と認め、その帰路を「通勤途中」と認定した。
(引用終了)

労災保険法では次のように通勤を定義しています。

通勤とは、労働者が、就業に関し、住居と就業の場所との間を、合理的な経路及び方法により往復することをいい、業務の性質を有するものを除くものとする。

そして、通勤経路を逸脱又は中断した場合に関しては、原則としてその間及びその後については通勤としないとしています。(通勤災害の給付を受けることができない)

しかし、例外的に逸脱又は中断が「日常生活上必要な行為」であり、それを「やむ得ない事由」により行うための「最小限度」である場合は、その「逸脱又は中断」の間を除き通勤になるとしている。

「日常生活上必要な行為」であるかどうかは、厚生労働省令で次のように定められています。

1.日用品の購入等
2.学校に行く
3.選挙権の行使
4.病院等で治療を受ける

ちなみに大阪地裁の裁判官は、「義父の介護は不可欠なものであり、親族が帰宅できない時間に介護することは、男性の日常生活にとっても必要不可欠で、日用品の購入に準ずる行為」と判断しています。

もちろん、介護のために通勤経路を離れて、義父の家に向かってから、介護を終え、通常の通勤経路のもどるまでの間に、交通事故にあっていた場合は通勤災害になりませんので、注意してくださいね。


(ご連絡)
社会保険労務士試験センターのHPで第38回(平成18年度)社会保険労務士試験の詳細が公示されています。
受験申込受付期間は、平成18年4月17日(月)から平成18年5月31日(水)までです。

なお、郵送での申込は平成18年5月31日(水)までの消印があるものが有効なんで注意してくださいね。

参考
社会保険労務士試験センター

  

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