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トップページ過去問研究室(一般常識) 平成13年一般-第1問(労働関係諸法令)
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■平成13年一般-第1問(労働関係諸法令)

次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)「賃金の支払の確保等に関する法律」では、就業規則等で労働者に退職手当を支払うことを明らかにした事業主は、企業の倒産などによる未払いの防止を図るために、一定の額について所定の保全措置を講ずるように努めなければならないこととしている。法人税法に基づく適格退職年金契約を締結した事業主であっても、当該保全措置を講ずることを必要とする。

(B)最低賃金制度は、低賃金労働者の生活の安定を図るための制度である。最低賃金の対象となる賃金には、1か月を超える期間ごとに支払われるボーナスや残業手当も含まれる。

(C)独立行政法人勤労者退職金共済機構が運営するいわゆる一般の中小企業退職金共済制度(特定業種退職金共済制度以外のものをいう。)では、中小企業者が退職金共済契約を締結する場合、中小企業者は、期間を定めて雇用される者等一定の者を除き、すべての従業員について退職金共済契約を締結するようにしなければならないとされている。(一部改正)

(D)独立行政法人勤労者退職金共済機構が運営するいわゆる一般の中小企業退職金共済制度(特定業種退職金共済制度以外のものをいう。)では、退職した日において60歳以上であり、退職金額が一定額以上である被共済者は、支給される退職金を分割して受給することができる。当該被共済者は、その場合の受給期間として10年又は20年のいずれかを選択できる。(一部改正)

(E)ある工場において、常時使用される同種の労働者の3分の2以上の労働者が、同一の労働協約の適用を受けるに至ったときには、同じ工場で使用される非組合員である同種の労働者にも、当該労働協約が適用されることとなる。



■解説

(A)誤り
賃確法5条、賃確則4条1号
事業主は、労働契約又は労働協約、就業規則その他これらに準ずるものにおいて労働者に退職手当を支払うことを明らかにしたときは、当該退職手当の支払に充てるべき額として厚生労働省令で定める額について、貯蓄金の保全措置に準じた措置を講ずるように努めなければならないことになっている。
しかし、中小企業退職金共済法による退職金共済契約を締結した事業主、法人税法による適格退職年金契約を締結した事業主、厚生年金基金設立事業主、確定給付企業年金実施事業主等については、退職手当の保全措置を講ずる必要はない。
よって、「法人税法に基づく適格退職年金契約を締結した事業主であっても、当該保全措置を講ずることを必要とする」とした問題文は誤りである。

(B)誤り
最低賃金法1条、最低賃金法5条3項1号・2号、最低賃金則2条1項・2項1号
最低賃金法は、賃金の低廉な労働者について、事業若しくは職業の種類又は地域に応じ、賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図り、もつて、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする制度である。
最低賃金の対象となる賃金には、臨時に支払われる賃金、1月をこえる期間ごとに支払われる賃金、所定労働時間をこえる時間の労働に対して支払われる賃金などは含まれないこととされている。
よって、「最低賃金の対象となる賃金には、1か月を超える期間ごとに支払われるボーナスや残業手当も含まれる」とした問題文は誤りである。

(C)正解
中退共法3条3項
中小企業者は、次に該当する者を除き、すべての従業員について退職金共済契約を締結するようにしなければならないことになっている。
1.期間を定めて雇用される者
2.季節的業務に雇用される者
3.試みの雇用期間中の者
4.現に退職金共済契約の被共済者である者
5.不正受給等により退職金共済契約を解除された者で、その解除の日から1年を経過しないもの
6.その他厚生労働省令で定める者(短時間労働者、休職期間中の者、相当の期間内に雇用関係の終了することが明らかな者、被共済者となることに反対する意思を表明した者など)

(D)誤り
中退共法12条1項・4項
退職金は一時金として支給するのが原則であるが、いわゆる一般の中小企業退職金共済制度(特定業種退職金共済制度以外のものをいう。)では、退職した日において60歳以上であり、退職金額が一定額以上である被共済者は、支給される退職金の全部又は一部を分割して受給することが可能である。
この場合の退職金の受給期間は、被共済者の選択により、請求後の最初の支給期月から5年間又は10年間のいずれかとされている。
よって、「10年又は20年のいずれかを選択できる」とした問題文は誤りである。

(E)誤り
労働組合法17条
一般的拘束力により、一の工場事業場に常時使用される同種の労働者の4分の3以上の数の労働者が一の労働協約の適用を受けるに至ったときは、当該工場事業場に使用される他の同種の労働者に関しても、当該労働協約が適用されるものとされている。
よって、「3分の2以上の労働者が、同一の労働協約の適用を受けるに至ったとき」とした問題文は誤りである。

  

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