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■平成13年一般-第5問(労務管理)

労務管理に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)退職金の性格をめぐっては様々な説がある。様々な説の中には、在職中の功労に報いるものであるとする説、退職後の生活を保障するためのものであるとする説、賃金の後払いであるとする説などがある。

(B)労働省「賃金労働時間制度等総合調査」(平成11年)によって諸手当の支給状況をみると、単身赴任・別居手当については大企業の方が支給している企業の割合は高い。他方、精皆勤・出勤手当については小規模企業ほど支給している企業の割合は高い。

(C)労働省「雇用管理調査」(平成11年)によると、企業が専門職制度を設けている理由として、「生産、販売等の各分野の個々の労働者をスペシャリスト化して、その能力の有効発揮を図るため」の方が「役職にむかない中高年齢者の処遇を図るため」よりも多くなっている。
なお、専門職制度とは、専門的な知識や技能をもつ者に対し、専任職、スタッフ管理職などのポストを設けて、ライン役職と同等の処遇を与える制度をいうものとする。

(D)厚生労働省は、企業がコース別の雇用管理を行う場合に男女雇用機会均等法に沿った適正な内容となることを狙いとして、「コース等で区分した雇用管理についての留意事項」を示している。同留意事項においては、各コースの運用が男女双方に同一であることを求めており、たとえば「総合職」は男性のみ、「中間職」や「一般職」は女性のみといった制度は男女雇用機会均等法に違反するとしている。

(E)自己申告制度とは、ある特定プロジェクト・事業のための要員や欠員の補充の募集源を社内の自由公募に求め、通常、本人の上司を経由しないで応募することができる制度である。これに対して社内人材公募制度は、労働者各人の能力開発・人事異動等に関する希望を会社に申告させる制度である。



■解説

(A)正解
退職金の性格をめぐっては、様々な説があるが、代表的なものとして、在職中の功労に報いるものであるとする功労説、退職後の生活を保障するためのものであるとする生活保障説、賃金の後払いであるとする賃金後払い説などがある。

(B)正解
平成11年賃金労働時間制度等総合調査
平成11年賃金労働時間制度等総合調査によると、単身赴任・別居手当については企業規模が大きいほど支給割合が高く、精皆勤・出勤手当については企業規模が小さいほど支給割合が高くなっている。

(参考)
第15表(企業規模、諸手当の種類別支給企業数割合)から抜粋
30〜99人 100〜299人 300〜999人 1,000人以上
単身赴任・別居手当 6.4% 22.9% 50.0% 57.1%
精皆勤・出勤手当 46.4% 40.4% 23.6% 13.5%

(C)正解
平成11年雇用管理調査
専門職制度の設定理由別企業割合を見ると、「生産、販売等の各分野の個々の労働者をスペシャリスト化して、その能力の有効発揮を図るため」が35.7%、「役職にむかない中高年齢者の処遇を図るため」が7.6%となっており前者の理由のほうが多くなっている。
なお、専門職制度とは、専門的な知識や技能をもつ者に対し専任職、スタッフ管理職などのポストを設けてライン役職と同等の処遇を与える制度をいうとされている。

(D)正解
コース等で区分した雇用管理についての留意事項(平成12年6月16日労働省女性局女性政策課)
「総合職」は男性のみ、「中間職」や「一般職」は女性のみといった制度を作るなど、 一方の性の労働者のみを一定のコース等に分けるといった制度運営を行うことは、明らかに均等法に違反することになり、制度運営に当たっては、男女均等な取扱いを確保することが必要であるとされている。

(E)誤り
自己申告制度とは、労働者各人の能力開発・人事異動等に関する希望を会社に申告させる制度である。
一方、社内人材公募制度とは、ある特定プロジェクト・事業のための要員や欠員の補充の募集源を社内の自由公募に求め、通常、本人の上司を経由しないで応募することができる制度である。
よって、問題文の場合は、「自己申告制度」と「社内人材公募制度」の説明が逆になっており、問題文は誤りとなる。

  

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