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■平成15年一般-第8問(介護保険法)

介護保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)介護保険における要介護認定は、40歳以上65歳未満の場合は、医師の診断書のみにより決定されるが、65歳以上の者は市町村長の調査のみで決定される。

(B)介護保険の保険料は40歳以上の者から徴収されるが、給付は65歳以上の者のみを対象としている。

(C)第1号被保険者の保険料は、所得状況に応じて原則6段階となっているが、市町村の判断で7段階にすることも可能である。(一部改正)

(D)介護保険の給付費の 50%は公費で賄われており、その内訳は、国が30%で、都道府県と市町村がそれぞれ10%ずつ負担することとなっている。

(E)保険料の特別徴収(年金からの天引き)は、老齢退職年金給付を対象に行われ、年金額にかかわらず、障害年金給付や遺族年金給付は対象とならない。(一部改正)



■解説

(A)誤り
介護保険法27条
要介護認定は、次の流れで行われることになっている。
1.被保険者からの申請を受けた市長村が、その職員に被保険者と面接させ、心身の状況等を調査させる。
2.市長村は、被保険者の主治の医師に対し、傷病の状況等について意見を求める。
3.市長村は、調査の結果、主治の医師の意見等を介護認定審査会に通知する。
4.介護認定審査会が、審査及び判定し、その結果を市長村に通知する。
5.市長村は、介護認定審査会の審査及び判定の結果に基づき認定する。
6.市長村が要介護認定をしたときは、その結果を被保険者に通知し、不該当としたときは、その理由を付して被保険者に通知する。
よって、被保険者の年齢により認定方法が異なるわけではなく、問題文は誤りとなる。

(B)誤り
介護保険法7条3項・4項、介護保険法18条
介護保険の給付は40歳以上65歳未満の者も対象となっている。
しかし、給付を受けるためには、その要介護(要支援)状態の原因である身体上又は精神上の障害が加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病であって政令で定めるもの(特定疾病)によって生じたものであることが要件となっている。
なお、保険料は第1号被保険者(市長村の区域内に住所を有する65歳以上の者)については、市長村が徴収(普通徴収又は特別徴収)し、第2号被保険者(市長村の区域内に住所を有する40歳以上65歳未満の医療保険加入者)については、加入している医療保険の保険者により徴収されることになっている。
よって、「給付は65歳以上の者のみを対象としている」とした問題文は誤りである。

(C)正解
介護保険法129条2項、介護保険法施行令38条・39条
第1号被保険者に対する保険料は、政令で定める基準に従い条例で定めるところにより算定されることになっている。
そして、政令で定める基準では、保険料は、第1号被保険者の所得状況に応じて原則6段階となっているが、特別の必要がある場合には、市長村の判断で7段階とすることも可能とされている。

(D)誤り
介護保険法121条1項、介護保険法122条2項、介護保険法123条1項、介護保険法124条1項
介護保険の給付費(介護給付及び予防給付に要する費用)の50%は公費で賄われているが、その内訳は、国が100分の25(そのうち100分の5は調整交付金)、都道府県が100分の12.5、市長村が100分の12.5となっている。
よって、「国が30%で、都道府県と市町村がそれぞれ10%」とした問題文は誤りである。

(E)誤り
介護保険法131条、介護保険法施行令40条
保険料の特別徴収は、老齢若しくは退職、障害又は死亡を支給事由とする年金たる給付であって政令で定めるもの(老齢等年金給付)を対象に行われることになっている。
よって、「老齢退職年金給付を対象に行われ、年金額にかかわらず、障害年金給付や遺族年金給付は対象とならない。」とした問題文は誤りである。
なお、老齢等年金給付の受給者であっても、その年の6月1日から翌年5月31日までに支払いを受けるべき年金給付の総額が、その年の4月1日において18万円未満である場合は、特別徴収の対象とはならず、普通徴収の対象となる。(法134条1項1号、令41条)

  

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