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■平成19年一般-第2問(労働経済)

次の記述のうち、誤っているものはどれか。
なお、この問において、「女性雇用管理調査」とは「平成17年度女性雇用管理基本調査」のことである。


(A)労働時間等の設定の改善に関する特別措置法第 条において、「事業主は、その雇用する労働者の労働時間等の設定の改善を図るため、業務の繁閑に応じた労働者の始業及び終業の時刻の設定、年次有給休暇を取得しやすい環境の整備その他の必要な措置を講ずるように努めなければならない。」と規定されている。

(B)「平成18年版労働経済白書」によれば、1994年と2004年との数値の比較において、「男性の週60時間以上雇用者割合は、20〜24歳、25〜29歳、30〜34歳で他の年齢階級と比べて増加幅が大きい。また、35時間未満の雇用者割合は男女ともに、35〜39歳、40〜44歳、45〜49歳層での増加幅が大きい。」とされている。

(C)日本労働研究機構「育児や介護と仕事の両立に関する調査報告書」(2003年)によれば、仕事と育児の両立については、民間企業雇用者で就学前の子供がいる女性の約6割が「仕事と育児のどちらも中途半端で不満がある」、「育児の影響があり、仕事に満足していない」又は「仕事の影響があり、育児に満足していない」のいずれかに回答しており、「仕事と育児をうまく両立できている」と回答した女性の割合は28%にとどまっている。

(D)女性雇用管理調査によれば、育児休業制度の規定がある事業所における育児休業制度の期間は、子が「1歳6か月」になるまでとする事業所が79.9%を占めている。また、「1歳6か月を超え2歳未満」とする事業所割合は3.0%、「2歳〜3歳未満」とする事業所割合は6.1%、「3歳以上」とする事業所割合は1.0%となっている。

(E)女性雇用管理調査によれば、育児休業を取得した者の休業期間中の定期昇給の取扱いについては、定期昇給制度のある事業所のうち「定期昇給時期に昇給する」が24.5%、「復職後に昇給する」が23.7%、「休業期間中の定期昇給は行わずに復職後の定期昇給に持ち越す」が51.9%となっている。



■解説

(A)正解
労働時間等設定改善法2条1項
労働時間等の設定の改善に関する特別措置法2条には、事業主等の責務として「事業主は、その雇用する労働者の労働時間等の設定の改善を図るため、業務の繁閑に応じた労働者の始業及び終業の時刻の設定、年次有給休暇を取得しやすい環境の整備その他の必要な措置を講ずるように努めなければならない。」と規定されている。
よって、問題文は正解である。
なお、同条2項には、「事業主は、労働時間等の設定に当たっては、その雇用する労働者のうち、その心身の状況及びその労働時間等に関する実情に照らして、健康の保持に努める必要があると認められる労働者に対して、休暇の付与その他の必要な措置を講ずるように努めるほか、その雇用する労働者のうち、その子の養育又は家族の介護を行う労働者、単身赴任者(転任に伴い生計を一にする配偶者との別居を常況とする労働者その他これに類する労働者をいう。)、自ら職業に関する教育訓練を受ける労働者その他の特に配慮を必要とする労働者について、その事情を考慮してこれを行う等その改善に努めなければならない。」と規定されている。

(B)誤り
平成18年版労働経済白書(58ページ)
平成18年版労働経済白書によると、壮年層で進む長時間労働として、「労働力調査により、週の就業時間が35 時間未満、60 時間以上の就業者割合の推移をみると、週35時間未満の就業者割合は、1990年代以降基調として増加傾向にある。これは、短時間のパート・アルバイト等の非正規雇用比率が増加していることによるものと考えられる。一方、週の就業時間が60時間以上の就業者割合は、1990年以降急速に低下したが、94年以降ほぼ横ばいで推移している。週の就業時間が35時間未満、60時間以上の雇用者割合を、男女別・年齢階級別にみると、男性の週60時間以上雇用者割合は、35〜39歳、40〜44歳、45〜 49歳で他の年齢階級と比べて増加幅が大きい。また、35時間未満の雇用者割合は男女ともに、15〜19歳、20〜24歳層での増加幅が大きい。男女ともに若年層で短時間労働者が増加する一方、男性壮年層では長時間労働の傾向がみられる。」と分析している。
よって、問題文は誤りとなる。

(C)正解
育児や介護と仕事の両立に関する調査報告書(2003年)
育児や介護と仕事の両立に関する調査報告書によると、仕事と育児の両立については、「仕事と育児をうまく両立できている」とするものは30.4%、「仕事の影響があり、育児に満足していない」が25.5%、「仕事と育児のどちらも中途半端で不満がある」が19.1%などとなっている。
雇用者男性では「仕事の影響があり、育児に満足していない」とするものが36.9%、「仕事と育児をうまく両立できている」が32.8%、雇用者女性では「仕事と育児をうまく両立できている」が28.0%、「仕事と育児のどちらも中途半端で不満がある」が27.4%、「育児の影響があり、仕事に満足していない」が19.8%となっている。
よって、問題文は正解となる。

(D)正解
平成17年度女性雇用管理基本調査
平成17年度女性雇用管理基本調査によると、育児休業制度の規定がある事業所における育児休業制度の期間は、子が「1歳6ヶ月」になるまでとする事業所が79.9%を占めている。また、「1歳6ヶ月を超え2歳未満」とする事業所割合は3.0%、「2歳〜3歳未満」とする事業所割合は6.1%、「3歳以上」とする事業所割合は1.0%となっている。
よって、問題文は正解となる。

(E)正解
平成17年度女性雇用管理基本調査
平成17年度女性雇用管理基本調査によると、育児休業を取得した者の休業期間中の定期昇給の取扱いについては、定期昇給制度のある事業所のうち「定期昇給時期に昇給する」が24.5%、「復職後に昇給する」が23.7%、「休業期間中の定期昇給は行わずに復職後の定期昇給に持ち越す」が51.9%となっている。
よって、問題文は正解となる。
なお、賞与の算定の際の休業期間の取扱いについては、賞与の制度がある事業所のうち「出勤日又は休業期間に応じて支給する」が62.7%を占め、「休業期間も休まなかったものとみなして支給する」は3.7%、「休業期間も一定程度出勤したものとみなして支給する」は2.5%となっている。一方、「賞与の算定の際の休業期間の取扱いは特に決めていない」とする事業所の割合は24.1%となっている。

  

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