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■平成21年一般-第2問(最低賃金法)

最低賃金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、この問において「法」とは「最低賃金法」のことであり、「労働者派遣法」とは「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」のことである。(一部改正)

(A)法第3条において、「最低賃金額(最低賃金において定める賃金の額をいう。)は、時間又は日によつて定めるものとする。」と定められている。

(B)法第9条第2項において、「地域別最低賃金は、地域における労働者の生計費及び賃金並びに企業収益を考慮して定められなければならない。」とされ、同条第3項において、「労働者の生計費を考慮するに当たっては、労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活保護に係る施策との整合性に配慮するものとする。」と定められている。

(C)労働者派遣法第44条第1項に規定する派遣中の労働者については、平成21年4月1日以降に派遣する場合、法第13条の規定により、当該派遣元の事業の事業場の所在地を含む地域について決定された地域別最低賃金が適用される。

(D)法第8条において、「最低賃金の適用を受ける使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、当該最低賃金の概要を、常時作業場の見やすい場所に掲示し、又はその他の方法で、労働者に周知させるための措置をとらなければならない。」と周知が義務化されており、法第41条第1号において、法第8条に違反した者(地域別最低賃金及び船員に適用される特定最低賃金に係るものに限る。)に対する罰則が定められている。

(E)法第34条において、監督機関に対する申告が規定されており、同条第1項において「労働者は、事業場にこの法律又はこれに基づく命令の規定に違反する事実があるときは、その事実を都道府県労働局長、労働基準監督署長又は公共職業安定所長に申告して是正のため適当な措置をとるように求めることができる。」と定められ、同条第2項において「使用者は、前項の申告をしたことを理由として、労働者に対し、解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。」と定められ、法第39条において、法第34条第2項の規定に違反した者に対する罰則が定められている。



■解説

(A)誤り
最低賃金法3条
最低賃金法第3条において、「最低賃金額(最低賃金において定める賃金の額をいう。)は、時間によつて定めるものとする。」と規定されている。
よって、「時間又は日によつて定める」とした問題文は誤りとなる。

(B)誤り
最低賃金法9条2項・3項
最低賃金法第9条2項において、「地域別最低賃金は、地域における労働者の生計費及び賃金並びに通常の事業の賃金支払能力を考慮して定められなければならない。」と規定されている。
よって、「企業収益を考慮して」とした問題文は誤りとなる。
なお、同法9条3項の規定は、「労働者の生計費を考慮するに当たつては、労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活保護に係る施策との整合性に配慮するものとする。 」と定められており、問題文の記述は正しい。

(C)誤り
最低賃金法13条
派遣中の労働者の地域別最低賃金については、その派遣先の事業の事業場の所在地を含む地域について決定された地域別最低賃金が適用されることになっている。
よって、「当該派遣元の事業の事業場の所在地を含む地域について決定された地域別最低賃金が適用される」とした問題文は誤りとなる。

(D)正解
最低賃金法8条、最低賃金法41条1号
最低賃金法第8条においては、「最低賃金の適用を受ける使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、当該最低賃金の概要を、常時作業場の見やすい場所に掲示し、又はその他の方法で、労働者に周知させるための措置をとらなければならない。」と規定されており、この規定に違反した者(地域別最低賃金及び船員に適用される特定最低賃金に係るものに限る。) は、30万円以下の罰金に処せられることになっている。
よって、問題文は正解となる。

(E)誤り
最低賃金法34条、最低賃金法39条
最低賃金法第34条1項においては、「労働者は、事業場にこの法律又はこれに基づく命令の規定に違反する事実があるときは、その事実を都道府県労働局長、労働基準監督署長又は労働基準監督官に申告して是正のため適当な措置をとるように求めることができる。」と規定されている。
よって、「公共職業安定所長に申告」とした問題文は誤りとなる。
なお、同法34条2項については、「使用者は、前項の申告をしたことを理由として、労働者に対し、解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。」と規定されており、この規定に違反した者については、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられることとされているため、問題文の記述は正しい。

  

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