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■平成21年一般-第3問(労働経済)

次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問において、「青少年白書」とは内閣府「平成20年版青少年白書」のことであり、以下において、「労働経済白書」とは厚生労働省「平成20年版労働経済白書」のことである。

(A)青少年白書によれば、平成19年(年平均)の15〜29歳の青少年人口は2,142万人で、このうち約6割が労働力人口で、これを年齢階級別に前年に比べると、15〜19歳、20〜24歳、25〜29歳のいずれも減少している、としている。

(B)労働経済白書によれば、いわゆるフリーターの推移をみると、2003年にピークを迎えた後、新規学卒者の就職状況が改善したこともあり徐々に減少したが、滞留傾向が懸念される年長フリーターが引き続き課題となっており、また、若年無業者(15〜34歳の非労動力人口のうち、家事も通学もしていない者)の推移をみると、2007年は162万人と、前年に比べて大幅に増加した、としている。

(C)青少年白書では、厚生労働省の雇用動向調査によると、平成19年中に事業所規模5人以上の事業所から離職した30歳未満の青少年労働者の離職率は全労働者の離職率より高くなっている、とし、また、厚生労働省の新規学校卒業者の就職離職状況調査によって在職期間別離職率をみると、平成17年3月卒業者の就職後3年間の離職状況は、中学校卒業者では就職者全体の66.7%が、高等学校卒業者では47.9%が、大学卒業者では35.9%がそれぞれ離職している、としている。

(D)労働経済白書では、初めて就いた仕事を辞めた理由を、内閣府「青少年の社会的自立に関する意識調査」よりみると、男女とも各年齢階級において「仕事があわない、またはつまらないから」とする者の割合が高く、また、2番目に高い割合となっているのは「人間関係がよくないから」であるが、後者については、おおむね男女とも年齢が低い層において高い割合となっている、としている。

(E)労働経済白書では、(株)UFJ総合研究所「若年者のキャリア形成に関する実態調査」により、35歳以下の若年者について、学校生活を通じてもっと教えて欲しかった内容をみると、正社員やパート・アルバイト等で働く者は「職業に必要な専門的知識・技能など」、「社会人としてのマナー」、「各職業の内容」などの項目で割合が高くなっている、としている。



■解説

(A)正解
平成20年版青少年白書
平成20年版青少年白書によると、「平成19年(年平均)の15〜29歳の青少年人口は2,142万人で、このうち1,277万人(59.6%)が労働力人口(15歳以上人口のうち、就業者と完全失業者を合わせたもの)である。青少年労働力人口を年齢階級別にみると、15〜19歳が103万人、20〜24歳が507万人、25〜29歳が667万人となっている。前年に比べると、15〜19歳では3万人、20〜24歳で11万人、25〜29歳では37万人減少している。また、総労働力人口(6,669万人)に占める青少年労働力人口の割合は19.1%となっている。」としている。
よって、問題文は正解となる。

(B)誤り
平成20年版労働経済白書
平成20年版労働経済白書によると、「いわゆるフリーター(15〜34歳で、男性は卒業者、女性は卒業者で未婚の者のうち、@雇用者のうち「パート・アルバイト」の者、A完全失業者のうち探している仕事の形態が「パート・アルバイト」の者、B非労働力人口のうち希望する仕事の形態が「パート・アルバイト」で家事も通学も就業内定もしていない「その他」の者)の推移をみると、2003年に217万人とピークを迎えた後、新規学卒者の就職状況が改善したこともあり徐々に減少し、2007年には181万人となった。年齢別にみると、15〜24歳層では2007年に89万人となり、2003年から30万人減と順調に減少しているのに対し、25〜34歳層では2007年に92万人で、2003年からの減少は6万人減にとどまっている。滞留傾向が懸念される年長フリーターが引き続き課題となっている。若年無業者(15〜34歳の非労働力人口のうち、家事も通学もしていない者)の推移をみると、2007年は62万人と、前年と同水準となった。」としている。
よって、「2007年は162万人と、前年に比べて大幅に増加した」とした問題文は誤りとなる。

(C)正解
平成20年版青少年白書
平成20年版青少年白書によると「厚生労働省の雇用動向調査によると、平成19年中に事業所規模5人以上の事業所から離職した30歳未満の青少年労働者は263万1千人(男子121万3千人、女子141万8千人)となっている。30歳未満の青少年労働者の離職率をみると、25.5%(男子21.8%、女子29.8%)で全労働者の離職率15.4%(男子13.0%、女子18.8%)より高くなっている。」としている。
よって、問題文は正解となる。

(D)正解
平成20年版労働経済白書
平成20年版労働経済白書によると、「離職した理由を、「青少年の社会的自立に関する意識調査」よりみると、男女とも各年齢階級において「仕事があわない、またはつまらないから」とする者の割合が高く、男性では、年齢が高まるにつれてその割合は高くなっているが、女性では年齢が高まるにつれて低くなる傾向にある。また、2番目に高い割合となっているのは「人間関係がよくないから」であるが、これについては、おおむね男女とも年齢が低い層において高い割合となっている。」としている。
よって、問題文は正解となる。

(E)正解
平成20年版労働経済白書
平成20年版労働経済白書によると、「学校で就職指導を担当している教師が就職支援をするうえで重視している基準と学生が就職するにあたって重視している基準を(株)UFJ総合研究所「若年者のキャリア形成に関する実態調査」よりみると、就職支援をするうえで重視している基準項目は「企業の業種・仕事の内容」、「専門学校での専門分野との関連」、「生徒自身の能力、適性との一致」等の項目について重視する基準割合が高くなっているが、学生にとってはそのいずれの項目も相対的に割合が低くなっている。一方、学生にとって重視している基準項目をみると、「労働条件(勤務時間、給与など)」、「企業の知名度・将来性・安定性」、「地域条件(勤務地、転勤の有無)」等となっている。これらの基準項目は、就職支援をするうえで重視している基準項目としては低いものとなっており、就職指導をする側と受ける側での意識の違いが大きいことがわかる。しかし、35歳以下の若年者に対し、学校生活を通じてもっと教えて欲しかった内容をみると、正社員やパート・アルバイト等で働く者は「職業に必要な専門的知識・技能など」、「社会人としてのマナー」、「各職業の内容」などの項目で割合が高くなっており、就職をする前と実際に働き始めてからでは教えて欲しかった内容に違いがあるといえる。」としている。
よって、問題文は正解となる。

  

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