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■平成22年一般-第1問(労働費用)

労働費用に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、本問は、平成18年及び平成21年の「就労条件総合調査(厚生労働省)」を参照している。

(A)法定福利費の構成は、厚生年金保険料が約2分の1、健康保険料・介護保険料が約3分の1を占めている。他方、法定外福利費の中で最も高い割合になっているのは住居に関する費用である。

(B)労働費用総額の構成は、現金給与部分と現金給与以外の労働費用から成っており、その割合は前者が約8割、後者が約2割である。現金給与以外の労働費用は、法定福利費と法定外福利費の二つによって構成され、企業規模が小さくなるほど法定福利費の割合が高くなっている。

(C)基本給を決定する要素は、管理職、管理職以外ともに「職務・職種など仕事の内容」が最も高く、「職務遂行能力」がそれに続いており、また、学歴、年齢・勤続年数などを基本給の決定要素とする企業の割合は、前回の調査(平成13年)と比較して減少している。

(D)「業績・成果」を基本給の決定要素とする企業について、その主な内容をみると、管理職、管理職以外ともに「短期の個人の業績・成果」とする割合が最も多く、次いで「長期の個人の業績・成果」となっており、管理職は、管理職以外に比べて、部門や会社全体の業績・成果を決定要素とする割合が高くなっている。

(E)賞与の額の主たる決定要素をみると、管理職、管理職以外のいずれにおいても半数以上の企業が何らかの「業績・成果」を賞与の決定要素としており、なかでも「短期の個人の業績・成果」とする企業が最も多くなっている。



■解説

(A)正解
平成18年就労条件総合調査
平成18年就労条件総合調査結果によれば、法定福利費46,456円の内訳は、厚生年金保険料23,831円、健康保険料・介護保険料15,746円、労働保険料6,363円等となっており、法定福利費に占める各費用の割合をみると、厚生年金保険料51.3%、健康保険料・介護保険料33.9%、労働保険料13.7%等となっている。
他方、法定外福利費9,555円の内訳は、住居に関する費用4,766円、私的保険制度への拠出金999円、食事に関する費用871円等となっており、法定外福利費に占める各費用の割合をみると、住居に関する費用49.9%、私的保険制度への拠出金10.5%、食事に関する費用9.1%となっている。
よって、問題文は正解となる。

(B)誤り
平成18年就労条件総合調査
平成18年就労条件総合調査結果よれば、労働費用総額に占める現金給与額の割合は81.0%、現金給与以外の労働費用は19.0%となっている。
現金給与以外の労働費用87,738円の内訳は、法定福利費46,456円、退職給付等の費用27,517円、法定外福利費9,555円等となっている。
現金給与以外の労働費用に占める各費用の割合をみると、法定福利費52.9%、退職給付等の費用31.4%、法定外福利費10.9%等となっている。
現金給与以外の労働費用を企業規模別でみると、1,000人以上116,557円、300〜999人87,081円、100〜299人63,052円、30〜99人59,440円となっている。
企業規模間の格差(1,000人以上=100)をみると、30〜99人規模の「現金給与以外の労働費用」の水準は51.0となっている。これを項目ごとにみると法定福利費77.5、現物給与の費用53.0、その他の労働費用51.3、法定外福利費41.7、教育訓練費29.6、退職給付等の費用23.6、となっており法定福利費に比べ、他の項目の格差が大きくなっている。
よって、「現金給与以外の労働費用は、法定福利費と法定外福利費の二つによって構成され」とした問題文は誤りとなる。

(C)正解
平成21年就労条件総合調査
平成21年就労条件総合調査結果によれば、基本給の決定要素は、管理職では、「職務・職種など仕事の内容」 が77.1%(前回平成13年72.8%)で最も高く、次いで「職務遂行能力」が68.5%(同79.7%)、「業績・成果」が45.4%(同64.2%)、「学歴、年齢・勤続年数など」57.8%(同73.9%)となっており、管理職以外でも、「職務・職種など仕事の内容」 が71.8%(前回平成13年70.6%)で最も高く、次いで「職務遂行能力」が67.5%(同77.3%)、「業績・成果」が44.4%(同62.3%)、「学歴、年齢・勤続年数など」65.5%(同80.6%)となっている。
よって、問題文は正解となる。

(D)正解
平成21年就労条件総合調査
平成21年就労条件総合調査結果によれば、「業績・成果」を基本給の決定要素とする企業について、その主な内容をみると、管理職、管理職以外ともに、「短期の個人の業績・成果」とする割合が最も多く(管理職26.5%、管理職以外50.9%)、次いで「長期の個人の業績・成果」(管理職24.7%、管理職以外28.5%)、「短期の事業部門、会社の業績・成果」(管理職14.1%、管理職以外7.2%)、「長期の事業部門、会社の業績・成果」(管理職13.7%、管理職以外4.9%)となっている。
よって、問題文は正解となる。

(E)正解
平成21年就労条件総合調査
平成21年就労条件総合調査結果によれば、平成20年(又は平成19会計年度)中に賞与を支給した企業について、賞与の額の主たる決定要素をみると、管理職、管理職以外のいずれにおいても半数以上の企業が何らかの「業績・成果」を賞与の決定要素としており、なかでも「短期の個人の業績・成果」とする企業が(管理職18.1%、管理職以外30.4%)最も多くなっている。
よって、問題文は正解となる。

  

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