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■平成28年一般-第5問(若年者の雇用)

我が国の若年者の雇用に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
なお、本問は、「平成25年若年者雇用実態調査(厚生労働省)」を参照しており、当該調査による用語及び統計等を利用している。


(A)若年正社員の採用選考をした事業所のうち、採用選考にあたり重視した点について採用区分別にみると、新規学卒者、中途採用者ともに「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」、「コミュニケーション能力」、「体力・ストレス耐性」が上位3つを占めている。

(B)過去3年間(平成22年10月〜平成25年9月)に正社員以外の若年労働者がいた事業所のうち、正社員以外の若年労働者を「正社員へ転換させたことがある」事業所割合を事業所規模別にみると、事業所規模が大きくなるほど「正社員へ転換させたことがある」事業所割合が高くなっている。

(C)若年正社員労働者の定着のために実施している対策をみると、「職場での意思疎通の向上」が最も高くなっている。

(D)最終学校卒業から1年間に、正社員以外の労働者として勤務した主な理由についてみると、「正社員求人に応募したが採用されなかった」、「自分の希望する会社で正社員の募集がなかった」、「元々、正社員を希望していなかった」が上位3つを占めている。

(E)在学していない若年労働者が初めて勤務した会社で現在も「勤務している」割合は半数を超えている。



■解説

(A)誤り
平成25年若年者雇用実態調査
若年正社員の採用選考をした事業所のうち、採用選考にあたり重視した点(複数回答)について採用区分別にみると、「新規学卒者」、「中途採用者」とも「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」がそれぞれ82.9%、74.7%と最も高くなっている。「新規学卒者」では、次いで「コミュニケーション能力」が67.0%、「マナー・社会常識」が63.8%となっており、「中途採用者」では「マナー・社会常識」が61.8%、「コミュニケーション能力」が55.0%と積極性や組織の中で仕事ができる能力が重視されている。
よって、「体力・ストレス耐性」を上位とした問題文は誤りとなる。

(B)正解
平成25年若年者雇用実態調査
過去3年間(平成22年10月〜平成25年9月)に正社員以外の若年労働者がいた事業所のうち、正社員以外の若年労働者を「正社員へ転換させたことがある」事業所割合は46.6%となっている。これを産業別にみると、「生活関連サービス業,娯楽業」が66.4%と最も高く、次いで「情報通信業」が57.7%、「運輸業,郵便業」が53.7%、「医療・福祉」が53.2%の順となっている。
事業所規模別にみると、事業所規模が大きくなるほど「正社員へ転換させたことがある」事業所割合は高くなっている。
よって、問題文は正解となる。

(C)正解
平成25年若年者雇用実態調査
若年正社員の「定着のための対策を行っている」事業所は70.5%、正社員以外の若年労働者の「定着のための対策を行っている」事業所は54.2%となっている。若年労働者の定着のために実施している対策(複数回答)をみると、「職場での意思疎通の向上」が正社員、正社員以外の労働者ともに最も高く、それぞれ59.5%、59.2%となっている。
よって、問題文は正解となる。

(D)正解
平成25年若年者雇用実態調査
最終学校卒業から1年間に、正社員以外の労働者として勤務した主な理由についてみると、「正社員求人に応募したが採用されなかった」が27.4%と最も高く、「自分の希望する会社で正社員の募集がなかった」が16.7%、「元々、正社員を希望していなかった」が15.4%の順となっている。
よって、問題文は正解となる。

(E)正解
平成25年若年者雇用実態調査
在学していない若年労働者が初めて勤務した会社で現在も働いているかどうかについてみると、「勤務している」が51.7%、「勤務していない」が47.3%となっている。
よって、問題文は正解となる。
なお、これを性別にみると、「勤務している」では男が57.3%、女が45.7%となっている。最終学歴別に「勤務している」割合をみると、概ね学歴が高くなるほど「勤務している」割合は高くなっている。雇用形態別に「勤務している」割合をみると、正社員では65.5%、正社員以外の労働者では22.1%となっている。

  

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