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■平成29年一般-第5問(高齢者問題)

我が国の高齢者に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
なお、本問は、「平成28年版厚生労働白書(厚生労働省)」を参照しており、当該白書又は当該白書が引用している調査による用語及び統計等を利用している。


(A)世帯主の年齢階級別に世帯人員1人当たりの平均所得額をみると、世帯主が65歳以上の世帯では全世帯の平均額を2割以上下回っている。

(B)60歳以上の高齢者の自主的社会活動への参加状況をみると、何らかの自主的な活動に参加している高齢者の割合は、増加傾向を示している。

(C)65歳以上の非正規の職員・従業員の雇用者について、現在の雇用形態についた主な理由(「その他」を除く。)をみると、「自分の都合のよい時間に働きたいから」が最も多く、次いで「家計の補助・学費等を得たいから」、「専門的な技能等をいかせるから」が続いている。

(D)65歳以上の高齢者のいる世帯について、世帯構造別の構成割合の推移をみると、1986年時点で1割強であった単独世帯の構成割合は、その後、一貫して上昇し、2015年では全体の約4分の1が単独世帯となっており、夫婦のみ世帯と合わせると半数を超える状況となっている。

(E)65歳以上の者の役員を除いた雇用者の雇用形態をみると、他の年齢層に比べて非正規の職員・従業員の割合がきわめて大きくなっており、2015年には全体の約4分の3を占めている。



■解説

(A)誤り
平成28年版厚生労働白書
世帯主の年齢階級別に1世帯当たりの平均所得金額を見てみると、世帯主が65歳以上の世帯では417.9万円と全世帯の541.9万円と比較して少ない。ただし、世帯人員1人当たりの平均所得額で見てみると、世帯主が65歳以上の世帯では192.4万円と全世帯の211万円と比較して大きくは変わらない。
よって、「2割以上下回っている。」とした問題文は誤りとなる。

(B)正解
平成28年版厚生労働白書
内閣府が実施した「高齢者の地域社会への参加に関する意識調査」より、60歳以上の高齢者の自主的社会活動への参加状況について見てみると、何らか自主的な活動に参加している高齢者の割合は、1993(平成5)年では42.3%であったのが、2003(平成15)年では54.8%、2013(平成25)年では61.0%と年々増加している。具体的な活動について見てみると、「健康・スポーツ」、「趣味」、「地域行事」の順となっており、特に「健康・スポーツ」は年々増加している。
よって、問題文は正解となる。

(C)正解
平成28年版厚生労働白書
65歳以上の非正規の職員・従業員の雇用者について、現在の雇用形態についた主な理由別にみると、「自分の都合のよい時間に働きたいから」が31.7%と最も高く、次いで「家計の補助・学費等を得たいから」が20.1%、「専門的な技能等をいかせるから」が14.9%などとなっている。
よって、問題文は正解となる。

(D)正解
平成28年版厚生労働白書
65歳以上の高齢者のいる世帯について、世帯構造別の構成割合の推移を見てみると、1986年時点では、三世代世帯が全体のおよそ半数近くを占めていたが、その後、一貫して減少し、2015年では12.2%となっている。一方で、1986年時点で13.1%であった単独世帯の構成割合は、その後、一貫して上昇し、2015年では全世帯の約4分の1が単独世帯となっており、夫婦のみ世帯と合わせると半数を超える状況となっている。
よって、問題文は正解となる。

(E)正解
平成28年版厚生労働白書
65歳以上の者の役員を除いた雇用者の形態について見てみると、2015(平成27)年の正規の職員・従業員は、前年に比べ7万人増加し93万人、非正規の職員・従業員の数は、前年に比べ33万人増加し267万人、65歳以上の雇用者に占める非正規の職員・従業員の割合は74.2%となっている。雇用者に占める非正規の職員・従業員の割合について年齢階級別に見てみると、高齢になるにつれ、割合が大きく増えている。
よって、問題文は正解となる。

  

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