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■社会保険労務士試験過去問研究室




■令和1年健保-第5問(法令全般関係)

健康保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)労働者災害補償保険(以下「労災保険」という。)の任意適用事業所に使用される被保険者に係る通勤災害について、労災保険の保険関係の成立の日前に発生したものであるときは、健康保険により給付する。ただし、事業主の申請により、保険関係成立の日から労災保険の通勤災害の給付が行われる場合は、健康保険の給付は行われない。

(B)健康保険法の被扶養者には、被保険者の配偶者で届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあるものの父母及び子であって、その被保険者と同一の世帯に属し、主としてその被保険者により生計を維持するものを含む。

(C)被扶養者としての届出に係る者(以下「認定対象者」という。)が被保険者と同一世帯に属している場合、当該認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上の者である場合又は概ね厚生年金保険法による障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者である場合にあっては180万円未満)であって、かつ、被保険者の年間収入を上回らない場合には、当該世帯の生計の状況を総合的に勘案して、当該被保険者がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認められるときは、被扶養者に該当する。

(D)被保険者が、心疾患による傷病手当金の期間満了後なお引き続き労務不能であり、療養の給付のみを受けている場合に、肺疾患(心疾患との因果関係はないものとする。)を併発したときは、肺疾患のみで労務不能であると考えられるか否かによって傷病手当金の支給の可否が決定される。

(E)資格喪失後、継続給付としての傷病手当金の支給を受けている者について、一旦稼働して当該傷病手当金が不支給となったとしても、完全治癒していなければ、その後更に労務不能となった場合、当該傷病手当金の支給が復活する。



■解説

(A)正解
法55条、昭和48年12月1日保険発105号・庁保険発24号
労災保険の任意適用事業所に使用される被保険者に係る通勤災害については、それが、労災保険の保険関係の成立の日前に発生したものであるときは、健康保険等で給付するものであること。ただし、事業主の申請により、保険関係成立の日から労災保険の通勤災害の給付が行われる場合は、この限りでない。
よって、問題文は正解となる。

(B)正解
法3条7項3号
被保険者の配偶者で届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあるものの父母及び子であって、その被保険者と同一の世帯に属し、主としてその被保険者により生計を維持するものは被扶養者の範囲に含まれる。
よって、問題文は正解となる。

(C)正解
法3条7項、平成5年3月5日保発第15号・庁保発第4号
認定対象者の年間収入が130万円(認定対象者が60歳以上の者である場合又は概ね厚生年金保険法の障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者である場合にあっては180万円。以下同じ。)未満であって、かつ被保険者の年間収入の2分の1未満である場合は、原則として被扶養者に該当するものとする。
また、前記の条件に該当しない場合であっても、当該認定対象者の年間収入が130万円(180万円)未満であって、かつ、被保険者の年間収入を上回らない場合には、当該世帯の生計状況を総合的に勘案して、当該被保険者がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認められるときは、被扶養者に該当するものとして差し支えないこととされている。
よって、問題文は正解となる。

(D)正解
法99条1項、昭和26年6月9日保文発第1900号、昭和26年7月13日保文発第2349号
一つの疾病について療養のため労務不能期間中に、他の疾病が発生したときの傷病手当金の支給については、前に発生した疾病について傷病手当金支給期間が満了し、その後もなお、疾病の療養のため労務不能である者について、他の疾病が発生し、この後に発生した疾病についてみても労務不能と考えられる場合には、前の疾病についての療養継続中であっても、また、前後の疾病の程度が同程度であっても、後の疾病について支給されるべきである。
よって、問題文は正解となる。

(E)誤り
法104条、昭和26年5月1日保文発第1346号
資格喪失後継続して傷病手当金の支給を受けている者については、保険診療を受けていても、一旦稼動して傷病手当金が不支給になった場合には、完全治癒であると否とを問わず、その後更に労務不能となっても傷病手当金の支給は復活されない。
よって、「当該傷病手当金の支給が復活」とした問題文は誤りとなる。
なお、傷病手当金の継続給付の受給要件を満たしている場合であっても、時効により傷病手当金の受給権が消滅したときは、法第104条の「継続して」に該当しないので時効未完成の期間についても継続給付は受けられない。(昭和31年12月24日保文発第11283号)

  

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