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トップページ過去問研究室(健康保険法) 平成13年健保-第9問(法令全般関係)
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■平成13年健保-第9問(法令全般関係)

次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)療養のあった月の標準報酬月額が62万円以上の被保険者に係る高額療養費算定基準額は、他の者よりも高く設定されている。

(B)食事療養の標準負担額であって、減額対象者以外の者に係るものは、1食260円である。(一部改正)

(C)任意継続被保険者又は資格喪失後傷病手当金を受けている者が、老齢厚生年金等を受けることができるときは、傷病手当金は支給されない。ただし、老齢厚生年金等の額が傷病手当金の額を下回る場合は、差額が支給される。

(D)標準報酬月額は、下限98,000円から上限980,000円の範囲で39等級に区分されている。

(E)収支の均衡しない健康保険組合が、厚生労働大臣の指定を受けた場合は、健全化計画を作成し、厚生労働大臣の承認を受けて、これに沿った事業運営を行うこととされている。



■解説

(A)誤り
法115条2項、令42条1項2号
70歳未満の被保険者等の高額療養費算定基準額(自己負担限度額)は、被保険者の所得により低所得者、一般、上位所得者と区分されている。
そして、被保険者又は被扶養者が診療を受けた月の属する年度(療養月が4月から7月の場合は前年度)において、被保険者が市区町村民税の非課税者である場合、又は被保険者又は被扶養者が診療を受けた月において生活保護の要保護者で低所得区分の高額療養費の支給があれば生活保護の被保護者にならない場合は低所得者区分の高額療養費算定基準額の対象となり、被保険者又は被扶養者が療養を受けた月における被保険者の標準報酬月額が56万円以上である場合に上位所得者としてより高い高額療養費算定基準額の対象となる。
よって、問題文の場合は上位所得者の区分を「62万円以上」としているので誤りである。

(B)正解
法85条2項、平成18年2月6日厚労告90号
食事療養の標準負担額は、実際に提供された食数に関係なく、1日の費用で設定されていたが、入退院時などは3食すべて提供されない場合があるので、実態に即した費用で適切に評価するため平成18年4月1日より1食260円となっている。
なお、減額対象者は1食210円、減額対象者のうち直近1年間の入院日数が90日を超える場合は1食160円(高齢受給者で被保険者及びすべての被扶養者の所得が一定額未満の場合は1食100円)となっている。

(C)正解
法108条4項
任意継続被保険者等の退職者について、退職老齢年金給付と傷病手当金が併給されている場合は、所得補償という目的の給付が重複することになるので、調整規定が設けられている。
なお、老齢退職年金給付との調整の対象になるのは、任意継続被保険者や資格喪失後の継続受給の規定により傷病手当金の支給を受けている者である。(障害厚生年金又は障害手当金との調整は在職者、退職者を問わず調整の対象になる。)
調整方法は、原則として老齢退職年金給付受給者には傷病手当金を支給しないが、支給されている老齢退職年金給付の額を360で除して得た額(1円未満は切り捨て)と傷病手当金の日額を比較して、傷病手当金の日額が老齢退職年金給付の日額より多い場合は、その差額を傷病手当金として支給する取り扱いになっている。

(D)正解
法40条1項
標準報酬月額等級は、第1級(標準報酬月額98,000円)から第39級(標準報酬月額980,000円)までの39等級に区分されている。

(E)正解
法28条1項・2項
財政窮迫状態にある健康保険組合が、厚生労働大臣より指定を受けた場合は、財政健全化計画を作成し、厚生労働大臣の承認を受け、その計画に沿った事業運営を行わなければならない。
なお、指定健康保険組合が、財政健全化計画に従い事業を行わない場合などは、厚生労働大臣は解散等を命じることができることになっている。(法29条4項)

  

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