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トップページ過去問研究室(健康保険法) 平成14年健保-第10問(入院時食事療養費)
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■平成14年健保-第10問(入院時食事療養費)

入院時食事療養費に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)入院に係る療養の給付とあわせて受けた食事療養の費用については、入院時食事療養費として支給される。

(B)被保険者が保険医療機関等で入院時食事療養費に係る療養を受けた場合、被保険者に支給すべき入院時食事療養費は、保険者が被保険者に代わり保険医療機関等に支払う現物給付の方式で行われる。

(C)入院時食事療養費の食事療養標準負担額は、平均的な家計の食費の状況を勘案して厚生労働大臣が定める。(一部改正)

(D)入院時食事療養費の給付に係る食事療養標準負担額は、1食につき260円であるが、市町村民税免除の低所得者は申請により減額が認められており、その額は減額申請を行った月以前12ヵ月以内の入院日数が90日以下のときは1食につき210円、90日を超えるときは1食につき160円である。(一部改正)

(E)食事療養標準負担額は、高額療養費の対象となる。(一部改正)



■解説

(A)正解
法85条1項
入院時食事療養費は、被保険者(特定長期入院被保険者を除く)が、保険医療機関等から入院に係る療養の給付と併せて受けた食事療養に要した費用について支給されることになっている。
なお、保険外併用療養費の支給対象となる療養に食事療養が含まれる場合は、その食事療養に要した費用は特定療養費として支給される。(法86条2項)
また、家族療養費の支給対象となる療養に食事療養が含まれる場合は、その食事療養に要した費用は家族療養費として支給される。(法110条2項)

※特定長期入院被保険者(70歳以上で療養病床に入院している被保険者)が、保険医療機関等から入院及びその療養に伴う世話その他の看護に係る療養の給付と併せて受けた生活療養(食事の提供である療養及び温度、照明、給水に関する適切な療養環境の形成である療養)に要した費用については、入院時生活療養費を支給されることになっている。

(B)正解
法85条5項・6項
条文構成では、入院時食事療養費は、償還払いの体裁をとっている。(法85条1項)
しかし、被保険者に入院時食事療養費を支給するのに代えて、その被保険者が療養を受けた保険医療機関等に対して保険者が直接払いを行い、その場合は入院時食事療養費の支給があったとみなすことにより、実質的には現物給付と同様の効果を生むことにしている。
なお、入院時生活療養費、保険外併用療養費、(家族)訪問看護療養費、家族療養費(療養費に相当する部分は除く)も同様の条文構成となっている。

(C)正解
法85条2項
食事療養標準負担額は、食事療養に要する平均的な費用の額を勘案して厚生労働大臣が定める基準により算定する。
なお、厚生労働大臣は、基準を定めるに中央社会保険医療協議会に諮問し(法85条3項)、また、食事療養標準負担額を定めた後に食費の状況その他の事情が著しく変動したときは、速やかにその額を改定しなければならないとされている。(法85条4項)

(D)正解
法85条2項、平成18年2月6日厚労告90号
食事療養標準負担額は、実際に提供された食数に関係なく、1日の費用で設定されていたが、入退院時などは3食すべて提供されない場合があるので、実態に即した費用で適切に評価するため平成18年4月1日より1食260円となっている。
なお、減額対象者は1食210円、減額対象者のうち直近1年間の入院日数が90日を超える場合は1食160円(高齢受給者で被保険者及びすべての被扶養者の所得が一定額未満の場合は1食100円)となっている。

(E)誤り
法115条1項
食事療養標準負担額については、高額療養費の対象にならない。
よって、「高額療養費の対象となる」とした問題文は誤りである。

  

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