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トップページ過去問研究室(健康保険法) 平成17年健保-第5問(併給調整、給付制限等)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成17年健保-第5問(併給調整、給付制限等)

併給調整、給付制限等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)妊娠4カ月を過ぎてから、業務上の事故により流産した場合、健康保険から出産育児一時金が支給される。

(B)介護保険における訪問看護ステーションからの訪問看護を受けている者が、急性増悪等により、特別指示書に係る指定訪問看護を受ける場合の給付は、医療保険から行われる。

(C)日雇特例被保険者の本人給付と一般の被保険者の家族給付とが競合するときは、一般被保険者の家族給付が優先し、日雇特例被保険者の本人給付が行われることはない。

(D)被保険者が泥酔状態で他人を殴打し、殴打された者に殴り返されて負傷し、治療を受けた場合には、療養の給付等の全部または一部が行われないことがあるが、数日後に仕返しを受け、負傷した場合の治療については、療養の給付等が行われる。

(E)災害救助法の規定により、被災者の医療について公費負担が行われた時は、その限度において健康保険の保険給付は行われない。



■解説

(A)正解
法102条、昭和3年3月16日保発第11号、昭和24年3月26日保文発第523号、昭和27年6月16日保文発第2427号
出産の給付を行う場合の「出産」とは、妊娠85日(4月)以上の分娩とされている。
なお、妊娠85日以上の分娩であれば、生産、死産、流産(人工流産を含む)、早産を問わずに支給対象となり、出産の原因が業務上の事故に関連していて、その業務災害について労災保険法の療養補償を受けた場合でも出産に関する給付は健康保険から支給されることになる。

(B)正解
法88条、医療保険と介護保険の給付調整に関する留意事項及び医療保険と介護保険の相互に関連する事項等について(平成18年4月28日保医発第0428001号・老老発第0428001号)
介護保険における訪問看護ステーションからの訪問看護を受けている者の急性増悪等により、特別指示書に係る指定訪問看護を受ける場合の給付は、医療保険から行われるものとされている。
よって、問題文は正解となる。

(C)誤り
法54条、法128条2項
一般被保険者の被扶養者に対する保険給付(家族給付)は、同一の保険事故について、当該被扶養者が日雇特例被保険者本人としての保険給付の支給を受けたときは、その限度において、行わないことになっている。
一方、日雇特例被保険者本人に対する保険給付は、同一の保険事故について、一般被保険者の被扶養者としての給付を受けたときは、その限度において、行われないことになっている。
なので、同一人について、日雇特例被保険者本人に対する給付と一般被保険者の被扶養者としての給付が競合する場合は、いずれか一方の給付を選択し、その給付を受けた場合は、他方の給付が制限されることになる。
よって、「一般被保険者の家族給付が優先する」とした問題文は誤りである。

(D)正解
法117条、昭和2年4月27日保理第1956号
被保険者が闘争、泥酔又は著しい不行跡によって給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は、その全部又は一部を行わないことができるとして給付制限の対象となっているが、制限対象になるのは、闘争又は泥酔によりその際生ぜしめた事故をいうのであって、数日前闘争し、その仕返しに数日後不意に危害を加えられたような場合は含まれないとされている。

(E)正解
法55条3項、災害救助法による救助の程度、方法及び期間並びに実費弁償の基準(平成12年3月31日厚生省告示第144号)
災害救助法では、災害のため医療の途を失った者に対して、公費負担が行われることになっており、災害救助法による公費負担の医療が行われた場合は、その限度において、健康保険の給付は行われない。

  

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