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現金給付に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (A)1年以上被保険者であった者が資格喪失後6月以内に出産し、夫の被扶養者となっている場合、出産育児一時金を受給するか、家族出産育児一時金を受給するかは、請求者が選択することができる。 (B)埋葬料は、死亡した被保険者と同一世帯にある者が埋葬を行った場合であっても、被保険者により生計を維持していない者には支給されない。 (C)被保険者が出産予定日の42日前から出産休暇をとったところ、予定日より5日遅れて出産した場合、出産日以前の出産手当金の支給日数は47日となり、また、5日の超過日数が出産日後の56日から差し引かれることはない。 (D)報酬との調整規定により減額された傷病手当金を受給している期間中に、同一傷病に関して障害厚生年金が支給されるようになったときは、「減額しない本来の傷病手当金の額」と「障害厚生年金と障害基礎年金との日額の合計額」との差額が支給される。 (E)労災保険から休業補償給付を受けている期間中に業務外の病気を併発し、労務不能となった場合、傷病手当金の額が休業補償給付の額を上回っているときは、休業補償給付に加えて、その差額が傷病手当金として支給される。
(A)正解 法106条、法114条、昭和48年11月7日保険発第99号・庁保険発第21号 資格喪失後6か月以内に分娩した者が健康保険の被扶養者になっている場合、被保険者本人としての出産育児一時金を受給するか、被扶養者としての家族出産育児一時金を受給するかは請求者の選択にまかせるという取扱いになっている。 よって、問題文は正解である。 (B)正解 法100条1項 被保険者が死亡したときは、その者により生計を維持していた者であって、埋葬を行うものに対し、埋葬料が支給される。 よって、被保険者により生計を維持されていない者には埋葬料は支給されず、問題文は正解となる。 (参考) 生計維持に関する行政解釈(通達)
(C)正解 法102条 出産手当金の受給権は、出産の日(出産の日が予定日後であるときは、出産の予定日)に発生することになるため、出産予定日から5日遅れて出産した場合、出産予定日以前42日(多胎妊娠の場合は98日)と遅れた5日を合わせた47日(多胎妊娠の場合は103日)が出産日以前の出産手当金の支給日数となり、実際の出産日の翌日から56日が出産日後の出産手当金の支給日数となる。 よって、問題文は正解である。 (参考) 双子出産の場合で特殊なケース
(D)誤り 法108条1項・2項 報酬との調整規定により減額された傷病手当金を受給している期間中に、同一傷病に関して障害厚生年金が支給されるようになったときは、「傷病手当金の日額と障害厚生年金及び障害基礎年金の日額」、「傷病手当金の日額と報酬額」のそれぞれの差額を計算し、それぞれの差額のうちいずれか少ない方の額が傷病手当金として支給されることになっている。 よって、「「減額しない本来の傷病手当金の額」と「障害厚生年金と障害基礎年金との日額の合計額」との差額が支給される」とした問題文は誤りである。 (参考) 傷病手当金と報酬等の調整の具体例
(E)正解 法99条1項、昭和33年7月8日保険発第95号 健康保険法に規定する傷病手当金及び労災保険法に規定する休業補償給付は、当該疾病又は負傷が業務上の事由によるものであるか業務外の事由によるものであるかの相違こそあれ。いずれも、療養のために働けなくなった労働者の報酬喪失の事態に着目して、当該労働者の生活保障をはかるために支給される点では、その法的機能を全く同じくするものと認められる。 よって、労災保険法の休業補償給付を受給している健康保険の被保険者が、業務外の事由による傷病によっても労務不能となった場合には、休業補償給付の額が傷病手当金の額に達しないときにおけるその部分にかかわるものを除き、傷病手当金は支給されないものと解するのが妥当であるとされている。 よって、問題文は正解となる。 |
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