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トップページ過去問研究室(健康保険法) 平成18年健保-第9問(保険給付の受給権等)
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■平成18年健保-第9問(保険給付の受給権等)

保険給付の受給権等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)保険給付の受給権については、受給権者が死亡したとき、相続人が承継して受領することは禁止されている。

(B)出産手当金及び出産育児一時金は、課税対象となる収入には含まれない。

(C)傷病手当金の受給権は、労務につかなかった日の翌日から2年を経過したときは、時効によって消滅する。

(D)給付事由が被保険者の泥酔によるものであるときは、保険給付の全部又は一部を行わないことができる。

(E)被保険者が刑事施設に拘禁されたときは、保険料の徴収及び疾病、負傷又は出産に係る被保険者に対する保険給付は原則として行われない。(一部改正)



■解説

(A)誤り
法61条、昭和2年2月16日保理第719号・747号
保険給付を受ける権利とは、公法上の債権であるが金銭債権であり、相続の目的となり得るとされており、請求権を有する被保険者が死亡したときは、その相続人が請求権を承継し、その相続人によって受領されるという取扱いになっている。
よって、「相続人が承継して受領することは禁止されている」とした問題文は誤りである。

(B)正解
法62条
保険給付として受ける金品(健康保険組合より付加給付として受けたものも含む)は、生活保障又は生活の安定を図るために支給されるものであるので、租税その他の公課を課すことができないことになっている。
よって、問題文は正解である。

(C)正解
法193条1項、昭和30年9月7日保険発第199-2号
保険給付を受ける権利は、2年を経過したときに時効によって消滅することになっているが、傷病手当金の請求権の消滅時効は、労務不能であった日ごとにその翌日から起算されることになっている。(なお出産手当金についても同様である。)

(D)正解
法117条
被保険者が闘争、泥酔又は著しい不行跡によって給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は、その全部又は一部を行わないことができることになっている。
よって、問題文は正解となる。
なお、「泥酔」は酒酔の程度の著しいもので、それが給付事由発生の原因となる程度のものとされている。

(E)正解
法118条1項、法158条
被保険者又は被保険者であった者が、次のいずれかに該当する場合には、疾病、負傷又は出産につき、その期間に係る保険給付(傷病手当金及び出産手当金の支給にあっては、厚生労働省令で定める場合に限る。)は、行われないことになっている。
1.少年院その他これに準ずる施設に収容されたとき。
2.刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されたとき。
また、前月から引き続き被保険者(任意継続被保険者を除く。)である者が少年院等に収容又は拘禁された場合は、その翌月以後、収容又は拘禁されなくなった月の前月までの期間は、保険料が徴収されないことになっている。(同月内に収容又は拘禁されなくなった場合は徴収される)
よって、問題文は正解である。

  

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