社会保険労務士試験過去問研究室-平成19年健保-第1問（被保険者及び被扶養者）

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平成19年健保-第1問（被保険者及び被扶養者）

■社会保険労務士試験過去問研究室

■平成19年健保-第1問（被保険者及び被扶養者）

被保険者及び被扶養者に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)被保険者が5人未満である適用事業所に所属する法人の代表者であって、一般の労働者と著しく異ならないような労務に従事している者については、その者の業務遂行の過程において業務に起因した傷病に関しても、健康保険の療養の給付及び傷病手当金の給付が行われる。

(B)任意継続被保険者が船員保険の被保険者になったときは、船員保険の被保険者となった日の翌日に任意継続被保険者の資格を喪失する。

(C)被保険者の養父母が被扶養者になる場合は、生計維持関係と同一世帯要件を満たすことが必要である。

(D)臨時に使用される者であって、5週間の雇用契約で働いていた日雇特例被保険者が、5週間を超えて引き続き使用されるに至った場合、5週間を超えたときから一般被保険者となる。

(E)特定健康保険組合の被保険者であった退職者（国民健康保険の退職被保険者になることができる者）が、特例退職被保険者となることを特定健康保険組合に申し出た場合、その申出が受理された日の翌日から特例退職被保険者の資格を取得する。

■解説

(A)誤り
平成15年7月1日保発第701002号、平成16年3月30日保発第330003号
健康保険法は、業務外の事由による疾病等に関して保険給付を行うこととされているため、業務遂行の過程において業務に起因して生じた傷病は、健康保険の給付対象とならない。
一方、法人の代表者又は業務執行者(代表者等)は、原則として労働基準法上の労働者に該当しないため、労働者災害補償保険法に基づく保険給付も行われない。
しかしながら、被保険者が5人未満である適用事業所に所属する法人の代表者等であって、一般の従業員と著しく異ならないような労務に従事している者については、その事業の実態等を踏まえ、当面の措置として、その者の業務遂行の過程において業務に起因して生じた傷病に関しても、健康保険による保険給付の対象とすることとされている。
ただし、業務遂行上の過程において業務に起因して生じた傷病については、小規模な法人の代表者等は、一般的には事業経営につき責任を負い、自らの報酬を決定すべき立場にあり、業務上の傷病について報酬の減額等を受けるべき立場にないことも踏まえ、法第108条第1項（傷病手当金と報酬等との調整）の趣旨にかんがみ、法人の代表者等が、業務遂行上の過程において業務に起因して生じた傷病については、傷病手当金を支給しないこととされている。
よって、「傷病手当金の給付が行われる」とした問題文は誤りとなる。」

(B)誤り
法38条5号
任意継続被保険者が船員保険の被保険者となったときは、被保険者資格を取得した日に資格を喪失する。
よって、「船員保険の被保険者となった日の翌日」とした問題文は誤りとなる。

(C)誤り
法3条7項、昭和32年9月2日保発第123号
被保険者の直系尊属、配偶者（事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。）、子、孫及び弟妹であって、主としてその被保険者により生計を維持するものは被扶養者となるとされている。
養父母及び養子は、父母及び子に含まれるものとされており、養父母の場合には生計維持関係を満たしていれば同一世帯なくても被扶養者となる。
よって、「生計維持関係と同一世帯要件を満たすことが必要」とした問題文は誤りである。
なお、継父母及び継子は、父母及び子にはいらないが、三親等内の親族に含まれるため、生計維持関係と同一世帯要件を満たすことにより被扶養者となる。

(D)正解
法3条1項
臨時に使用される者であって、2月以内の期間を定めて使用される者は、日雇特例被保険者となる場合を除き、被保険者となることができないとされているが、所定の期間を超え、引き続き使用されるに至った場合には、その日から被保険者となる。
よって、問題文は正解となる。
なお、日々雇い入れられる者が1月を超え、引き続き使用されるに至った場合には、その日から被保険者となる。

(E)誤り
法附則3条3項
特定健康保険組合の被保険者であった退職者（国民健康保険の退職被保険者になることができる者）が、特例退職被保険者となることを特定健康保険組合に申し出た場合、その申出が受理された日から特例退職被保険者の資格を取得することになっている。
よって、「その申出が受理された日の翌日から」とした問題文は誤りとなる。

　　

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