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トップページ > 過去問研究室(健康保険法)> 平成20年健保-第4問(健康保険の保険給付) | |||||
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保険給付に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 (A)被扶養者の出産に係る家族出産育児一時金について、被保険者は、事前に申請して医療機関等を受取代理人とすることができるが、当該申請の対象となる被保険者は、出産予定日まで42日以内の被扶養者を有する者である。(参考問題) (B)日雇特例被保険者に係る傷病手当金の支給に当たっては、労務不能となった際にその原因となった傷病について療養の給付を受けていることでは足りず、労務不能期間において当該傷病につき療養の給付を受けていることを要するとされている。また、支給される金額は、その者が初めて当該療養の給付を受けた日の属する月の前6か月間に通算して78日分以上の保険料が納付されている場合、当該期間において保険料が納付された日に係るその者の標準賃金日額の各月ごとの合算額のうち最大のものの45分の1に相当する金額である。 (C)被保険者が10日間の年次有給休暇をとって5日目に傷病のため入院療養となり、有給休暇が終了して後も入院のため欠勤(報酬の支払いはないものとする。)が続いた場合、傷病手当金は有給休暇が終了した日の翌日から起算して4日目から支給される。 (D)一般の被保険者の資格を喪失した日の前日まで引き続き1年以上被保険者であった者が特例退職被保険者となり、かつ、一般の被保険者資格を喪失した際に傷病手当金を受けている場合は、当該傷病手当金の継続給付を受けることができる。 (E)被保険者が、自己の故意の犯罪行為により、被扶養者にけがをさせた場合、被扶養者に対する治療は保険給付の対象とならない。
(A)誤りだった 受取代理の申請の対象者は、被保険者(出産費貸付制度を利用する者を除く。)であって、出産育児一時金等の支給を受ける見込みがあり、かつ出産予定日まで1か月以内の者又は出産予定日まで1か月以内の被扶養者を有する者とされていたため、「出産予定日まで42日以内」とした問題文は誤りであった。 平成21年10月1日より直接支払制度が導入されたことにより、受取代理制度は廃止されたため参考問題とする。(平成21年5月29日保発第0529005号出産育児一時金等の医療機関等への直接支払制度の取扱いについて) なお、平成23年4月以降については、直接支払制度を改善するとともに、資金繰りへの影響が大きいと考えられる施設や、事務負担が過大となる小規模の施設については、受取代理の仕組みを制度化することとされた。(平成23年1月31日保発0131第2号出産育児一時金等の支給申請及び支払方法について) (B)誤り 平成15年2月25日庁保発1号・保発225001号 日雇特例被保険者に対する傷病手当金の支給に当たっては、労務不能となった際にその原因となった傷病について療養の給付を受けていることで足り、労務不能期間において当該傷病につき療養の給付を受けていることを要しないこととになっている。 よって、「傷病について療養の給付を受けていることでは足りず、労務不能期間において当該傷病につき療養の給付を受けていることを要するとされている。」とした問題文は誤りとなる。 なお、日雇特例被保険者に対する傷病手当金の日額は、労務不能にかかる療養の給付を受け始めた月の前2月(暦月)間に26日分以上の保険料が納付されている場合は、各月ごとに保険料納付日の標準賃金日額を合算していずれか大きいものの45分の1である。(保険料納付日数の多少は関わりない。) 45分の1というのは、標準賃金日額の合算額(従前の日雇労働者としての月間収入)の1日分(30分の1)の3分の2(一般の被保険者と同様)という意味である。(30分の1×3分の2=45分の1) また、前6か月間に78日以上の保険料納付がある場合には、同様の考え方により、当該前6月の各暦月ごとに標準賃金日額を合算して最大のものを算定の基礎とする。 (C)誤り 法99条 療養のため欠勤したが、この欠勤開始の日から3日間を年次有給休暇として処理された場合であっても待期期間は完成する。したがって、第4日目以降も療養のため労務不能状態である場合、年次有給休暇が終了した日の翌日から傷病手当金の支給が開始されることになる。 問題文の事例の場合だと、年次有給休暇期間中の第5日目に療養のため労務不能となっているので、第7日目で待期期間が完成するが、第10日目までは年次有給休暇として処理されているため、傷病手当金の支給は停止され、年次有給休暇が終了した日の翌日(年次有給休暇を開始した日から第11日目)から傷病手当金が支給されることになる。 よって、「傷病手当金は有給休暇が終了した日の翌日から起算して4日目から支給される。」とした問題文は誤りとなる。 (D)誤り 法附則3条5項 傷病手当金の継続給付の要件を満たした場合であっても、特例退職被保険者には、傷病手当金は支給されないことになっている。 よって、「傷病手当金の継続給付を受けることができる。」とした問題文は誤りとなる。 なお、傷病手当金の継続給付の要件を満たしたものが、資格喪失後に任意継続被保険者となった場合には、傷病手当金の継続給付を受けることはできるので注意すること。 (E)正解 法116条 給付制限となる給付事由は、被保険者又は被保険者であった者についての給付事由のみならず、被扶養者についての給付事由も含まれる。これは、「故意に給付事由を生じさせたとき」についても「故意の犯罪行為により給付事由を生じさせたとき」についても同様である。 たとえば、被保険者がその被扶養者について給付事由を生じさせたときは、家族療養費、家族埋葬料等は支給されない。 よって、問題文は正解となる。 |
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