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■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成21年健保-第1問(健康保険法の総則等)

健康保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)健康保険法は、大正11年に制定され、同時に施行された日本で最初の社会保険に関する法である。

(B)健康保険法は、業務外の事由による疾病、負傷、死亡、出産を対象としているが、業務上の傷病として労働基準監督署に認定を申請中の未決定期間は、一応業務外の傷病として健康保険から給付を行い、最終的に業務上の傷病と認定された場合には、さかのぼって給付相当額の返還が行われる。

(C)健康保険制度は、高齢化の進展、疾病構造の変化、社会経済情勢の変化等に対応し、その他の医療保険制度及び後期高齢者医療制度並びにこれらに密接に関連する制度と併せて5年ごとに検討が加えられることになっている。

(D)政府は、健康保険法等の一部を改正する法律(平成18年法律第83号)の施行後5年を目途として、この法律の施行の状況等を勘案し、この法律による改正後の高齢者の医療の確保に関する法律の規定に基づく規制の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずることになっている。

(E)健康保険法における被保険者には、後期高齢者医療制度の被保険者が含まれている。



■解説

(A)誤り
法附則1条
健康保険法は大正11年4月20日に公布され、大正15年7月1日に施行されたが、保険給付及び費用の負担に関する規定については、昭和2年1月1日から施行された。
よって、「大正11年に制定され、同時に施行された」とした問題文は誤りとなる。

(B)誤り
法1条、昭和28年4月9保文発2014号
健康保険法は、労働者の業務外の事由による疾病、負傷若しくは死亡又は出産及びその被扶養者の疾病、負傷、死亡又は出産に関して保険給付を行うこととされているが、業務上外の未決定期間内における保険給付の取扱いについては、「業務上の疾病として労働基準局にその認定を申請し未決定の期間は、一応業務上の取扱いをし、最終的に業務上の傷病でないと認定されたときに、健康保険による業務外と認定された場合には、さかのぼって療養費、傷病手当金の給付を行う。」こととされている。
よって、「一応業務外の傷病として健康保険から給付を行い、最終的に業務上の傷病と認定された場合には、さかのぼって給付相当額の返還が行われる。」とした問題文は誤りとなる。

(C)誤り
法2条
健康保険法第2条(基本的理念)には、「健康保険制度については、これが医療保険制度の基本をなすものであることにかんがみ、高齢化の進展、疾病構造の変化、社会経済情勢の変化等に対応し、その他の医療保険制度及び後期高齢者医療制度並びにこれらに密接に関連する制度と併せてその在り方に関して常に検討が加えられ、その結果に基づき、医療保険の運営の効率化、給付の内容及び費用の負担の適正化並びに国民が受ける医療の質の向上を総合的に図りつつ、実施されなければならない。」と規定されている。
よって、「5年ごとに検討が加えられ」とした問題文は誤りとなる。

(D)正解
法附則2条1項(平成18年6月21日法律第83号)
政府は、健康保険法の一部を改正する法律の施行後5年を目途として、この法律の施行の状況等を勘案し、この法律により改正された医療保険各法及び高齢者の医療の確保に関する法律の規定に基づく規制の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとされている。
よって、問題文は正解となる。

(E)誤り
法3条1項7号
後期高齢者医療の被保険者等については、健康保険法の適用を除外されているため被保険者となることができない。
よって、「後期高齢者医療制度の被保険者が含まれている」とした問題文は誤りとなる。
なお、後期高齢者医療の被保険者等については、健康保険の被扶養者にもなれない。(法3条7項)

  

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