社会保険労務士試験に楽に合格する方法論を研究するサイト
社会保険労務士試験情報局
トップページ過去問研究室(健康保険法) 平成21年健保-第2問(法令全般関係)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成21年健保-第2問(法令全般関係)

健康保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)傷病手当金の支給要件に該当すると認められる者であっても、その者が介護休業中である場合は、傷病手当金は支給されない。

(B)全国健康保険協会の理事長、理事及び監事は、厚生労働大臣が任命し、当該協会の職員は理事長が任命する。

(C)健康保険組合が解散し消滅した場合、厚生労働大臣が当該健康保険組合の権利義務を承継し、当該健康保険組合の組合員であった被保険者を全国健康保険協会の被保険者に変更することになっている。

(D)任意適用事業所の事業主は、当該事業所に使用される者(被保険者である者に限る。)の2分の1以上の同意を得て、厚生労働大臣に申請し、認可を受けた場合、適用事業所でなくすることができる。

(E)健康保険組合は、支払い上現金に不足を生じたときは、準備金に属する現金を繰替使用し、又は一時借入金をすることができるが、繰替使用した金額及び一時借入金は、当該会計年度内に返還しなければならない。



■解説

(A)誤り
法99条、平成11年3月31日保険発46号・庁保発9号
傷病手当金及び出産手当金の支給要件に該当すると認められる者については、その者が介護休業期間中であっても傷病手当金又は出産手当金が支給されることになっている。
よって、「介護休業中である場合は、傷病手当金は支給されない」とした問題文は誤りとなる。
なお、健康保険法の規定による傷病手当金又は出産手当金が支給される場合であって、同一期間内に事業主から介護休業手当等で報酬と認められるものが支給されているときは、傷病手当金又は出産手当金の支給額について調整を図ることとされている。

(B)誤り
法7条の11第1項・3項、法7条の23
全国健康保険協会の理事長及び監事は、厚生労働大臣が任命することになっているが、理事及び協会の職員については、理事長が任命することになっている。
よって、「理事長、理事及び監事は、厚生労働大臣が任命」とした問題文は誤りとなる。

(C)誤り
法26条4項
全国健康保険協会は、解散により消滅した健康保険組合の権利義務を承継することになっている。
よって、「厚生労働大臣が当該健康保険組合の権利義務を承継」とした問題文は誤りとなる。

(D)誤り
法33条
任意適用事業所の事業主は、当該事業所に使用される者(被保険者である者に限る。)の4分の3以上の同意を得て、厚生労働大臣に申請し、認可を受けることにより適用事業所でなくすることができる。
よって、「2分の1以上の同意」とした問題文は誤りとなる。
なお、任意適用の認可の申請のときは2分の1以上の同意であるが、取消しのときには4分の3以上の同意を必要とするのは、被保険者の不利益を生ずる取消しが事業主の一方的意思によって行われることを防止するためである。

(E)正解
令21条1項・2項
健康保険組合は、支払上現金に不足を生じたときは、準備金に属する現金を繰替使用し、又は一時借入金をすることができるが、繰替使用した金額及び一時借入金は、当該会計年度内に返還しなければならないことになっている。これは、健康保険組合の主な収入は保険料であり、1年度を通算すれば収入収支の均衡を得るべきものであるが、ある時期に現実に収入支出の均衡を失することが生じる。このように支払上現金に不足を生じたときにまず準備金に属する現金を繰替使用することができ、この方法によりなお現金に不足を生じたときは、一時借入金をすることができるとされているものである。
よって、問題文は正解となる。

  

→社会保険労務士試験過去問研究室(健康保険法)に戻る
Copyright (C) 2005 社会保険労務士試験情報局 All Rights Reserved