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■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成22年健保-第3問(法令全般関係)

健康保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)全国健康保険協会は、被保険者が介護保険第2号被保険者でない場合であっても、当該被保険者に介護保険第2号被保険者である被扶養者がある場合には、規約により、当該被保険者(特定被保険者)に介護保険料額の負担を求めることができる。

(B)被保険者の資格を喪失した後に出産手当金の継続給付を受けていた者がその給付を受けなくなった日後6か月以内に死亡したとき、被保険者であった者により生計を維持していた者であって、埋葬を行うものは、その被保険者の最後の保険者から埋葬料として5万円が支給される。

(C)介護保険第2号被保険者でない日雇特例被保険者の保険料額は、その者の標準賃金日額に全国健康保険協会の被保険者の一般保険料率と介護保険料率とを合算した率を乗じて得た額である。

(D)高額療養費の給付を受ける権利は、診療月の翌月の1日を起算日として、2年を経過したときは、時効によって消滅する。ただし、診療費の自己負担分を、診療月の翌月以後に支払ったときは、支払った日の翌日が起算日となる。

(E)全国健康保険協会は、その業務に要する費用に充てるため必要な場合において、運営委員会の議を経て短期借入金をすることができる。その場合、理事長はあらかじめ厚生労働大臣に協議をしなければならない。



■解説

(A)誤り
法附則7条1項
健康保険制度においては、被保険者及び被扶養者の医療費は、被扶養者の有無やその数に関わらず、被保険者全体で報酬や賞与に応じて負担しており、健康保険の保険者が納付する介護納付金についても、介護保険第2号被保険者が、介護保険第2号被保険者に該当する被扶養者の数に関わらず、報酬や賞与に応じて介護保険料として負担している。一方、健康保険組合の中には、年齢構成などによって、介護保険第2号被保険者の介護保険料の負担が過大となる事例も生じえる。このため、介護保険料の徴収については健康保険組合に一定の自主性を付与し、介護保険第2号被保険者となる被扶養者を扶養している被保険者であって、自らは介護保険第2号被保険者でないものについても、規約で定めることにより、介護保険料を徴収することができるとされている。
よって、この規定が適用されるのは健康保険組合のみであり、「全国健康保険協会は」とした問題文は誤りとなる。

(B)誤り
法105条1項
傷病手当金又は出産手当金の継続給付を受ける者が死亡したとき、傷病手当金又は出産手当金の継続給付を受けていた者がその給付を受けなくなった日後3月以内に死亡したとき、又はその他の被保険者であった者が被保険者の資格を喪失した日後3月以内に死亡したときは、被保険者であった者により生計を維持していた者であって、埋葬を行うものは、その被保険者の最後の保険者から埋葬料の支給を受けることができる。
よって、「その給付を受けなくなった日後6か月以内に死亡」とした問題文は誤りとなる。

(C)誤り
法168条1項
日雇特例被保険者に関する保険料額は、次の額を合算した額とされている。
(1)標準賃金日額に平均保険料率(各都道府県単位保険料率に各支部被保険者の総報酬額の総額を乗じて得た額の総額を協会が管掌する健康保険の被保険者の総報酬額の総額で除して得た率)と介護保険料率とを合算した率(介護保険第2号被保険者である日雇特例被保険者以外の日雇特例被保険者については、平均保険料率)を乗じて得た額
(2)(1)の額に100分の31を乗じて得た額
よって、介護保険第2号被保険者でない日雇特例被保険者の保険料額について、「一般保険料率と介護保険料率とを合算した率」とした点、算定した額に100分の31を乗じていない点から問題文は誤りとなる。
なお、賞与が支給される場合においては、賞与額(その額に1,000円未満の端数がある場合には切り捨て、その額が40万円を超える場合には、40万円とする。)に平均保険料率と介護保険料率とを合算した率(介護保険第2号被保険者である日雇特例被保険者以外の日雇特例被保険者については、平均保険料率)を乗じて得た額となっている。

(D)正解
法193条、昭和48年11月7日保発99号・庁保険発21号
高額療養費の消滅時効の起算日は、診療日の翌月の1日であり、傷病が月の途中で治癒した場合においても同様である。ただし、診療費の自己負担分を、診療月の翌月以後に支払った日の翌日が起算日とされている。
よって、問題文は正解となる。

(E)誤り
法7条の31第1項
全国健康保険協会は、その業務に要する費用に充てるため必要な場合において、厚生労働大臣の認可を受けて、短期借入金をすることができる。
よって、短期借入金をするときは厚生労働大臣の認可を受ければよく、「運営委員会の議を経て」、「理事長はあらかじめ厚生労働大臣に協議」といったことは要件になく、問題文は誤りとなる。

  

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