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トップページ過去問研究室(健康保険法) 平成23年健保-第10問(保険料)
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■平成23年健保-第10問(保険料)

保険料に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)全国健康保険協会が都道府県単位保険料率を変更しようとするときは、あらかじめ、運営委員会が当該変更に係る都道府県に所在する支部の支部長の意見を聴いたうえで、理事長に対しその変更について意見の申出を行う。

(B)被保険者の使用されている事業所が廃止されたとき、納期前であっても保険料はすべて徴収することができる。

(C)被保険者資格を喪失した者に係る保険料で、その者に支払う報酬がないため控除できない場合は、事業主は被保険者負担相当分を除いた額を納付する。

(D)事業主(日雇特例被保険者が1日において2以上の事業所に使用される場合においては、その者を使用するすべての事業主)は、日雇特例被保険者を使用する日ごとに、その者及び自己の負担すべきその日の標準賃金日額に係る保険料を納付する義務を負う。

(E)全国健康保険協会が、保険料の滞納処分について、国税滞納処分の例により処分を行う場合には、処分後に厚生労働大臣にその旨を報告しなければならない。



■解説

(A)誤り
法160条6項
全国健康保険協会が都道府県単位保険料率を変更しようとするときは、あらかじめ、理事長が当該変更に係る都道府県に所在する支部の支部長の意見を聴いた上で、運営委員会の議を経なければならないことになっている。  
よって、「運営委員会が当該変更に係る都道府県に所在する支部の支部長の意見を聴いたうえで、理事長に対しその変更について意見の申出を行う。」とした問題文は誤りとなる。

(B)正解
法172条1項
保険料は、次の場合においては、納期前であっても、すべて徴収することができることになっている。
(1)国税、地方税その他の公課の滞納によって、滞納処分を受けるとき
(2)強制執行を受けるとき
(3)破産手続開始の決定を受けたとき
(4)企業担保権の実行手続の開始があったとき
(5)競売の開始があったとき
(6)法人である納付義務者が、解散をした場合
(7)被保険者の使用される事業所が、廃止された場合
よって、問題文は正解となる。

(C)誤り
法161条、昭和2年2月14日保理第578号、昭和4年1月18日事発第125号
事業主は、被保険者に対し支払うべき報酬のないため保険料を控除し得ぬ場合又は支払っても控除し得ぬ場合であっても、被保険者の負担すべき保険料を納付すべき義務を負うことになる。
よって、「被保険者負担相当分を除いた額を納付する。」とした問題文は誤りとなる。
なお、事業主は、被保険者に支払う報酬から控除した被保険者の負担する保険料の額のいかんにかかわらず保険料全額の納付義務を負うべきものであるとされている。(昭和2年2月14日保理第218号)

(D)誤り
法169条2項
事業主は、日雇特例被保険者を使用する日ごとに、その者及び自己の負担すべきその日の標準賃金日額に係る保険料を納付する義務を負うことになっているが、日雇特例被保険者が1日において2以上の事業所に使用される場合においては、初めにその者を使用する事業主が納付義務を負うこととされている。
よって、「その者を使用するすべての事業主」とした問題文は誤りとなる。

(E)誤り
法180条5項
全国健康保険協会又は健康保険組合が、滞納保険料について、国税滞納処分の例により処分を行う場合においては、事前に厚生労働大臣の認可を受けなければならないことになっている。
よって、「処分後に厚生労働大臣にその旨を報告」とした問題文は誤りとなる。

  

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