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トップページ > 過去問研究室(健康保険法)> 平成25年健保-第4問(健康保険の保険給付) | ||||||
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保険給付に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (A)被保険者が脱臼又は骨折について柔道整復師の施術を受け、療養費の支給を受けるためには、応急手当の場合を除いて医師の同意を得る必要があり、また応急手当後の施術は医師の同意が必要である。医師の同意は患者が医師から受けることもでき、また施術者が医師から得ることもできるが、いずれの場合も医師の同意は患者を診察したうえで、書面または口頭により与えられることを要する。 (B)傷病手当金は、療養のために労務に服することができなかった場合に支給するもので、その療養は必ずしも保険医の診療を受けた場合のみとは限らない。 (C)災害その他の厚生労働省令で定める特別の事情により、保険医療機関又は保険薬局に支払う一部負担金等の徴収猶予又は減免の措置を受けようとする者は、あらかじめ保険者に対し申請書を提出しなければならない。保険者は、その徴収猶予又は減免の決定をした場合には、速やかに証明書を申請者に交付するものとする。 (D)自宅において療養している被保険者が、保険医療機関の看護師から療養上の世話を受けたときは、訪問看護療養費が支給される。 (E)偽りその他不正行為によって保険給付を受けた者があるときは、保険者はその者からその給付の価額の全部又は一部を徴収することができるが、その場合の「全部又は一部」とは、偽りその他不正行為によって受けた分が保険給付の一部であることが考えられるので、全部又は一部とされたものであって、偽りその他不正行為によって受けた分はすべて徴収することができるという趣旨である。
(A)正解 法87条、平成9年4月17日保険発57号、平成9年12月1日保険発150号、平成22年5月24日保医発0524第3号 脱臼又は骨折(不全骨折を含む。)に対する柔道整復師の施術については、医師の同意を得たものでなければならないこと。また、応急手当をする場合はこの限りではないが、応急手当後の施術は医師の同意が必要であることとされている。 そして、医師の同意は個々の患者が医師から得てもよく、又施術者が直接医師から得てもよいが、いずれの場合であっても医師の同意は患者を診察した上で書面又は口頭により与えられることを要すること。なお、実際に医師から施術につき同意を得た旨が施術録に記載してあることが認められれば、必ずしも医師の同意書の添付を要しないこと。また、施術につき同意を求める医師は、必ずしも整形外科、外科等を標榜する医師に限らないものであることとされている。 よって、問題文は正解となる。 (B)正解 法99条、昭和4年2月20日保理第489号 療養は必ずしも保険医について診療を受けた場合にかぎられないこととされている。 よって、問題文は正解となる。 (参考)
(C)正解 法75条の2、平成18年9月14日保保発0914001号 保険者は、災害その他の厚生労働省令で定める特別の事情がある被保険者であって、保険医療機関等に一部負担金を支払うことが困難であると認められるものに対し、次の措置を採ることができることになっている。 (1)一部負担金を減額すること。 (2)一部負担金の支払を免除すること。 (3)保険医療機関等に対する支払に代えて、一部負担金を直接に徴収することとし、その徴収を猶予すること。 一部負担金等の徴収猶予又は減免の措置を受けようとする者は、あらかじめ保険者に対し、申請書を提出しなければならず、保険者は一部負担金等の徴収猶予又は減免の決定をした場合は、速やかに証明書を申請者に交付するものとされている。 また、一部負担金等の徴収猶予又は減免の措置を受けた者が、保険医療機関等について療養の給付等を受けようとするときは、証明書を健康保険被保険者証に添えて当該保険医療機関等に提出しなければならないこととされている。 よって、問題文は正解となる。 (D)誤り 法88条1項 被保険者が、厚生労働大臣が指定する者(指定訪問看護事業者という。)から当該指定に係る訪問看護事業を行う事業所により行われる訪問看護(指定訪問看護)を受けたときは、その指定訪問看護に要した費用について、訪問看護療養費を支給することとされている。 よって、「訪問看護療養費が支給される。」とした問題文は誤りとなる。 なお、保険医療機関の看護師から療養上の世話を受けたときは、「療養の給付」が行われることになる。 (E)正解 法58条1項、昭和32年9月2日保険発第123号 偽りその他不正の行為によって保険給付を受けた者があるときは、保険者は、その者からその給付の価額の全部又は一部を徴収することができるが、この給付の価額の全部又は一部とは、情状によるという趣旨ではなく、字句的に保険給付という広い表現をとった関係上、詐欺その他の不正行為により受けた分が、その一部であることが考えられるので、全部又は一部としたものであって、詐欺その他の不正行為によって受けた分はすべてという趣旨であるとされている。 よって、問題文は正解となる。 |
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