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トップページ過去問研究室(健康保険法) 平成25年健保-第10問(健康保険の保険給付)
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■平成25年健保-第10問(健康保険の保険給付)

健康保険法に関する次のアからオの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。

(ア)傷病手当金の支給に関して、労務に服することができない期間は、労務に服することができない状態になった日から起算するが、その状態になったときが業務終了後である場合は、その翌日から起算する。

(イ)傷病手当金は、傷病が休業を要する程度でなくとも、遠隔地であり、通院のため事実上働けない場合には支給される。

(ウ)被保険者が死亡した場合、その被保険者の傷病手当金の請求権については、相続権者は請求権をもたない。

(エ)被保険者等が、故意に給付事由を生じさせた場合は、その給付事由についての保険給付は行われないことと規定されているが、自殺未遂による傷病について、その傷病の発生が精神疾患等に起因するものと認められる場合は、保険給付の対象となる。

(オ)高額介護合算療養費は、計算期間(前年8月1日から7月31日までの1年間)の末日において健康保険の被保険者及びその被扶養者についてそれぞれ個別に算定し支給する。


(A)(アとウ)

(B)(イとオ)

(C)(ウとオ)

(D)(エとオ)

(E)(アとオ)



■解説

(ア)正解
法99条1項、昭和5年10月13日保発第52号
労務に服することができない期間は、労務に服することができない状態になった日から起算する。ただしその状態になった時が業務終了後である場合は翌日とする。
よって、問題文は正解となる。

(イ)正解
法99条1項、昭和2年5月10日保理第2211号
被保険者が療養の給付を受ける場合、保険医はその傷病は休業を要する程度のものでないと認定したが、被保険者の住所が診療所より遠く通院のために事実上労務の廃止を必要とする場合、この休業は広義に解し療養のため労務不能と解し、支給してよいものとされている。
よって、問題文は正解となる。

(ウ)誤り
法99条1項、昭和2年2月18日保理第719号
被保険者の傷病手当金または療養費の請求権等は一種の金銭債権であるので、死亡したときはその相続権者が当然請求権をもつこととなる。
よって、「相続権者は請求権をもたない。」とした問題文は誤りとなる。

(エ)正解
法116条、昭和13年2月10日社庶第171号、平成22年5月21日保保発0521第1号・保国発0521第2号・保高発0521第1号
被保険者又は被保険者であった者が、自己の故意の犯罪行為により、又は故意に給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は、行わないことになっており、自殺未遂に因る傷病に関しても給付制限の対象となる。
しかしながら、精神病その他の行為行為(結果を含む)に対する認識能力なき者に就ては「故意」の問題を生じないため、保険給付の対象となる。
よって、問題文は正解となる。

(オ)誤り
法115条の2、平成21年4月30日保保発0430001号
高額介護合算療養費は、医療保険上の世帯を単位として、計算期間(前年8月1日から7月31日までの期間)の末日(基準日)にその世帯に属する者に関し、費用負担者である被保険者等が、当該計算期間に負担した自己負担額の合算額が、介護合算算定基準額に支給基準額を加えた額を超える場合に支給することとされている。ただし、医療に係る自己負担額又は介護に係る自己負担額のいずれかが0円である場合は支給しないこととされている。
よって、「健康保険の被保険者及びその被扶養者についてそれぞれ個別に算定し支給する。」とした問題文は誤りとなる。

※誤っているものの組合せは、(ウ)と(オ)であるため、(C)が正解となる。

  

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