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■平成28年健保-第9問(法令全般関係)

健康保険法に関する次のアからオの記述のうち、正しいものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。

(ア)疾病により療養の給付を受けていた被保険者が疾病のため退職し被保険者資格を喪失した。その後この者は、健康保険の被保険者である父親の被扶養者になった。この場合、被扶養者になる前に発病した当該疾病に関しては、父親に対し家族療養費の支給は行われない。

(イ)出産手当金の額は、1日につき、出産手当金の支給を始める日の属する月以前の直近の継続した12か月間の各月の標準報酬月額を平均した額の30分の1に相当する額の3分の2に相当する金額とする。ただし、その期間が12か月に満たない場合は、出産手当金の支給を始める日の属する月の標準報酬月額の30分の1に相当する額の3分の2に相当する金額とする。

(ウ)育児休業等の期間中における健康保険料の免除の申出は、被保険者が1歳に満たない子を養育するため育児休業をし、その後1歳から1歳6か月に達するまでの子を養育するため育児休業をし、その後1歳6か月から2歳に達するまでの子を養育するための育児休業をし、更にその後3歳に達するまでの子を養育するため育児休業に関する制度に準じて講ずる措置による休業をする場合、その都度、事業主が当該育児休業等期間中において行うものとされている。(一部改正)

(エ)短時間就労者の標準報酬月額の定時決定について、4月、5月及び6月における算定の対象となる報酬の支払基礎日数が、各月それぞれ16日であった場合、従前の標準報酬月額で決定される。

(オ)報酬又は賞与の全部又は一部が、通貨以外のもので支払われる場合においては、その価額は、その地方の時価によって、厚生労働大臣が定めるが、健康保険組合は、規約で別段の定めをすることができる。

(A)(アとエ)

(B)(イとウ)

(C)(イとエ)

(D)(アとオ)

(E)(ウとオ)

■解説

(ア)誤り
法110条1項、昭和26年10月16日保文発第4111号
被保険者の資格取得が適正である限り、資格取得前の疾病又は負傷に対しても保険給付を行なうこととされており、被扶養者の場合も同様に扶養認定前の疾病等であっても、扶養認定が適正である限り、家族療養費等が支給されることになる。
よって、「家族療養費の支給は行われない。」とした問題文は誤りとなる。

(イ)誤り
法102条2項
出産手当金の額は、1日につき出産手当金の支給を始める日の属する月以前の直近の継続した12月間の各月の標準報酬月額を平均した額の30分の1に相当する額(その額に、5円未満の端数があるときは、これを切り捨て、5円以上10円未満の端数があるときは、これを10円に切り上げるものとする。)の3分の2に相当する額(その金額に、50銭未満の端数があるときは、これを切り捨て、50銭以上1円未満の端数があるときは、これを1円に切り上げるものとする。)とされている。
しかしながら、同日の属する月以前の直近の継続した期間において標準報酬月額が定められている月が12月に満たない場合にあっては、次の各号に掲げる額のうちいずれか少ない額の3分の2に相当する金額(その金額に、50銭未満の端数があるときは、これを切り捨て、50銭以上1円未満の端数があるときは、これを1円に切り上げるものとする。)とする。

(1)出産手当金の支給を始める日の属する月以前の直近の継続した各月の標準報酬月額を平均した額の30分の1に相当する額(その額に、5円未満の端数があるときは、これを切り捨て、5円以上10円未満の端数があるときは、これを10円に切り上げるものとする。)
(2)出産手当金の支給を始める日の属する年度の前年度の9月30日における全被保険者の同月の標準報酬月額を平均した額を標準報酬月額の基礎となる報酬月額とみなしたときの標準報酬月額の30分の1に相当する額(その額に、5円未満の端数があるときは、これを切り捨て、5円以上10円未満の端数があるときは、これを10円に切り上げるものとする。)
よって、問題文は誤りとなる。

(ウ)正解
法159条、平成17年3月29日保保発第329001号・庁保険発第329002号
育児休業等の期間中における健康保険料免除の申出書の提出は、被保険者の養育する子が@1歳に達する日までの育児休業、当該子がA1歳に達する日から1歳6ヶ月に達する日までの育児休業、当該子がB1歳6ヶ月に達する日から2歳に達する日までの育児休業、C1歳(Aの場合は1歳6ヶ月、Bの場合は2歳)から3歳に達する日までの育児休業の制度に準ずる措置による休業に分け、その都度、当該育児休業等期間中において行うものであることとされている。
なお、それぞれの育児休業等期間中において、育児休業等を終了した後に、再度当該子に係る育児休業等を開始したときは、その都度、当該育児休業等期間中において、申出書の提出を行うものとされている。
よって、問題文は正解となる。

(エ)誤り
法41条、平成18年5月12日庁保険発512001号
短時間就労者に係る定時決定時の標準報酬月額の算定については、次のいずれかにより算定することとされている。
(1)4、5、6月の3ヶ月間のうち支払基礎日数が17日以上の月の報酬月額の平均により算定された額とすること。
(2)4、5、6月の3ヶ月間のうち支払基礎日数がいずれも17日未満の場合は、その3ヶ月のうち支払基礎日数が15日以上17日未満の月の報酬月額の平均により算定された額をもって、保険者算定による額とすること。
(3)4、5、6月の3ヶ月間のうち支払基礎日数がいずれの月についても15日未満の場合は、従前の標準報酬月額をもって当該年度の標準報酬月額とすること。
よって、「各月それぞれ16日であった場合、従前の標準報酬月額で決定される。」とした問題文は誤りとなる。

(オ)正解
法46条
報酬又は賞与の全部又は一部が、通貨以外のもので支払われる場合においては、その価額は、その地方の時価によって、厚生労働大臣が定めることとされているが、保険者が健康保険組合の場合は、この規定にかかわらず、規約で別段の定めをすることができることになっている。
よって、問題文は正解となる。

※正解の組合せは、(ウ)と(オ)であるため、(E)が正解となる。

  

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