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■平成29年健保-第5問(法令全般関係)

健康保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)被保険者が闘争、泥酔又は著しい不行跡によって給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は、その全部又は一部を行わないことができる。

(B)従業員が3人の任意適用事業所で従業員と同じような仕事に従事している個人事業所の事業主は、健康保険の被保険者となることができる。

(C)厚生労働大臣は、全国健康保険協会管掌健康保険の適用事業所に係る名称及び所在地、特定適用事業所であるか否かの別を、インターネットを利用して公衆の閲覧に供する方法により公表することができる。

(D)移送費は、被保険者が、移送により健康保険法に基づく適切な療養を受けたこと、移送の原因である疾病又は負傷により移動をすることが著しく困難であったこと、緊急その他やむを得なかったことのいずれにも該当する場合に支給され、通院など一時的、緊急的とは認められない場合については支給の対象とならない。

(E)厚生労働大臣は、保険医療機関若しくは保険薬局の指定を行おうとするとき、若しくはその指定を取り消そうとするとき、又は保険医若しくは保険薬剤師の登録を取り消そうとするときは、政令で定めるところにより、地方社会保険医療協議会に諮問するものとされている。



■解説

(A)正解
法117条
被保険者が闘争、泥酔又は著しい不行跡によって給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は、その全部又は一部を行わないことができることになっている。
よって、問題文は正解となる。
なお、この規定は、闘争又は泥酔によりその際生ぜしめた事故をいうのであって、数日前闘争し、その仕返しに数日後不意に危害を加えられたような場合は含まれない。(昭和2年4月27日保理第1956号)

(B)誤り
法3条1項
個人事業所の事業主は、適用事業所に使用される者に該当しないため、健康保険の被保険者とはならない。
よって、「健康保険の被保険者となることができる。」とした問題文は誤りとなる。
なお、会社等法人の理事、監事、取締役、代表社員等のいわゆる代表機関は、民法又は商法の規定においては、法人に使用されている者とは解されないが、健康保険法の適用については、法人から労務の対償として報酬を受けている者は、法人に使用される者として被保険者の資格を取得することになる。(昭和24年7月28日保発第74号)

(C)正解
則159条の10
厚生労働大臣は、全国健康保険協会管掌健康保険の適用事業所に係る次の各号に掲げる事項をインターネットを利用して公衆の閲覧に供する方法により公表することができる。
(1)名称及び所在地
(2)特定適用事業所であるか否かの別
(3)当該事業所に係る機構の業務を分掌する年金事務所
(4)事業主が国、地方公共団体又は法人であるときは、法人番号
よって、問題文は正解となる。

(D)正解
法97条、則81条、平成6年9月9日保険発第119号・庁保険発第9号
保険者は、被保険者が次の各号のいずれにも該当すると認める場合に移送費を支給することになっている。
(1)移送により法に基づく適切な療養を受けたこと。
(2)移送の原因である疾病又は負傷により移動をすることが著しく困難であったこと。
(3)緊急その他やむを得なかったこと。
なお、具体的な事例としては、次のような場合とされている。
(1)負傷した患者が災害現場等から医療機関に緊急に移送された場合
(2)離島等で疾病にかかり、又は負傷し、その症状が重篤であり、かつ、傷病が発生した場所の付近の医療施設では必要な医療が不可能であるか又は著しく困難であるため、必要な医療の提供を受けられる最寄の医療機関に移送された場合
(3)移動困難な患者であって、患者の症状からみて、当該医療機関の設備等では十分な診療ができず、医師の指示により緊急に転院した場合
よって、問題文は正解となる。

(E)正解
法82条2項
厚生労働大臣は、保険医療機関若しくは保険薬局に係る指定を行おうとするとき、若しくはその指定を取り消そうとするとき、又は保険医若しくは保険薬剤師に係る登録を取り消そうとするときは政令に定めるところにより、地方社会保険医療協議会に諮問するものとされている。
よって、問題文は正解となる。

  

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