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■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成29年健保-第6問(法令全般関係)

健康保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)72歳の被保険者で指定訪問看護事業者から指定訪問看護を受けようとする者は、被保険者証に高齢受給者証を添えて、当該指定訪問看護事業者に提出しなければならない。

(B)事業主は、当該事業主が被保険者に対して支払うべき報酬額が保険料額に満たないため保険料額の一部のみを控除できた場合においては、当該控除できた額についてのみ保険者等に納付する義務を負う。

(C)共に全国健康保険協会管掌健康保険の被保険者である夫婦が共同して扶養している者に係る被扶養者の認定においては、被扶養者とすべき者の人数にかかわらず、年間収入の多い方の被扶養者とすることを原則とするが、夫婦双方の年間収入が同程度である場合は、被扶養者の地位の安定を図るため、届出により、主として生計を維持する者の被扶養者とすること
ができる。

(D)50歳である一般の被保険者は、当該被保険者又はその被扶養者が介護保険第2号被保険者に該当しなくなったときは、遅滞なく、所定の事項を記載した届書を事業主を経由して厚生労働大臣又は健康保険組合に届け出なければならないが、事業主の命により被保険者が外国に勤務することとなったため、いずれの市町村又は特別区の区域内にも住所を有しなくなったときは、当該事業主は、被保険者に代わってこの届書を厚生労働大臣又は健康保険組合に届け出ることができる。

(E)保険医の登録をした医師の開設した診療所で、かつ、当該開設者である医師のみが診療に従事している場合には、当該診療所は保険医療機関の指定があったものとみなされる。なお、当該診療所は、健康保険法第65条第3項又は第4項に規定するいわゆる指定の拒否又は一部拒否の要件に該当しないものとする。



■解説

(A)正解
法88条3項、則70条
指定訪問看護事業者から指定訪問看護を受けようとする者は、被保険者証を(70歳に達する日の属する月の翌月以後である場合は、高齢受給者証を添えて)当該指定訪問看護事業者に提出しなければならないことになっている。
よって、問題文は正解となる。

(B)誤り
法161条2項、昭和2年2月14日保理第218号
事業主は、その使用する被保険者及び自己の負担する保険料を納付する義務を負うものとされ、被保険者に支払う報酬から控除した被保険者の負担する保険料の額のいかんにかかわらず保険料全額の納付義務を負うべきものとされている。
よって、「当該控除できた額についてのみ保険者等に納付する義務を負う。」とした問題文は誤りとなる。
なお、事業主は、被保険者に対し支払うべき報酬のないため保険料を控除し得ぬ場合又は支払っても控除し得ぬ場合であっても、被保険者の負担すべき保険料を納付すべき義務を負う。(昭和2年2月14日保理第578号)(昭和4年1月18日事発第125号)

(C)正解
昭和60年6月13日保険発第66号・庁保発第22号
夫婦共同扶養の場合における被扶養者認定の取扱いは、被扶養者とすべき者の員数にかかわらず、年間収入(当該被扶養者届が提出された日の属する年の前年分の年間収入とする。以下同じ。)の多い方の被扶養者とすることを原則とし、夫婦双方の年間収入が同程度である場合は、被扶養者の地位の安定を図る為、主として生計を維持する者の被扶養者とすることされている。
よって、問題文は正解となる。
なお、共済組合の組合員に対しては、その者が主たる扶養者である場合に扶養手当等の支給が行われることとされているので、夫婦の双方又はいずれか一方が共済組合の組合員であって、その者に当該扶養者に関し、扶養手当又はこれに相当する手当の支給が行われている場合には、その支給を受けている者の被扶養者として差し支えないこととされている。

(D)正解
則40条
被保険者は、被保険者又はその被扶養者が介護保険第2号被保険者に該当しなくなったときは、被保険者又はその被扶養者が65歳に達したことにより介護保険第2号被保険者に該当しなくなったときを除いて、遅滞なく、所定の事項を記載した届書を事業主を経由して厚生労働大臣又は健康保険組合に届け出なければならないことになっている。この場合において、事業主の命により被保険者が外国に勤務することとなったため、いずれの市町村又は特別区の区域内にも住所を有しなくなったときは、当該事業主は、被保険者に代わって届書を厚生労働大臣又は健康保険組合に届け出ることができることになっている。
よって、問題文は正解となる。

(E)正解
法69条
個人開業医、個人薬局については、保険医又は保険薬剤師の登録があれば重ねて保険医療機関又は保険薬局の指定手続をする必要がないので、事務手続きの簡略化を図るため、保険医等の登録があったときには、保険医療機関等の指定があったものとみなすこととされている。
よって、問題文は正解となる。

 

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