社会保険労務士試験に楽に合格する方法論を研究するサイト
社会保険労務士試験情報局
トップページ過去問研究室(国民年金法) 令和1年国年-第2問(国民年金の給付)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■令和1年国年-第2問(国民年金の給付)

国民年金法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)傷病について初めて医師の診療を受けた日において、保険料の納付猶予の適用を受けている被保険者は、障害認定日において当該傷病により障害等級の1級又は2級に該当する程度の障害の状態にあり、保険料納付要件を満たしている場合でも、障害基礎年金が支給されることはない。

(B)遺族基礎年金の受給権者である子が、死亡した被保険者の兄の養子となったとしても、当該子の遺族基礎年金の受給権は消滅しない。

(C)被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持していた配偶者は、その当時日本国内に住所を有していなかった場合でも、遺族基礎年金を受けることができる子と生計を同じくしていれば遺族基礎年金を受けることができる遺族となる。なお、死亡した被保険者又は被保険者であった者は遺族基礎年金の保険料納付要件を満たしているもの
とする。

(D)老齢基礎年金の支給を停止すべき事由が生じた日の属する月の翌月にその事由が消滅した場合は、当該老齢基礎年金の支給を停止しない。

(E)老齢基礎年金の受給権者に対して支給する国民年金基金の年金は、当該老齢基礎年金がその全額につき支給を停止されていなくても、400円に当該国民年金基金に係る加入員期間の月数を乗じて得た額を超える部分に限り、支給を停止することができる。



■解説

(A)誤り
法30条1項
障害基礎年金は、初診日において、(1)被保険者である者、(2)被保険者であった者であって、日本国内に住所を有し、かつ、60歳以上65歳未満である者が、障害認定日において、その傷病により次項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態にあるときに支給されることになっている。なお、当該傷病に係る初診日の前日において、当該初診日の属する月の前々月までに被保険者期間がある場合は保険料納付要件を満たす必要がある。
よって、保険料の納付猶予の適用を受けている被保険者であっても、要件を満たせば障害基礎年金が支給されるため、「障害基礎年金が支給されることはない。」とした問題文は誤りとなる。

(B)誤り
法40条1項
遺族基礎年金の受給権は、受給権者が養子となったとき(直系血族又は直系姻族の養子となったときを除く。)は消滅する。
問題文の場合、死亡した被保険者の兄は「直系血族又は直系姻族」でないため、受給権者がその者の養子となった場合は、受給権は消滅する。
よって、問題文は誤りとなる。

(C)正解
法37条の2
被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持していた配偶者は、その当時日本国内に住所を有していなかった場合でも、遺族基礎年金を受けることができる子と生計を同じくしていれば遺族基礎年金を受けることができる。
遺族基礎年金を受ける遺族の範囲について、国内居住要件は定められていない。
よって、問題文は正解となる。

(D)誤り
法18条2項
年金給付は、その支給を停止すべき事由が生じたときは、その事由が生じた日の属する月の翌月からその事由が消滅した日の属する月までの分の支給を停止することとされている。
問題文の場合は、支給を停止すべき事由が生じた日の属する月の翌月の老齢基礎年金が支給停止される。
よって、問題文は誤りとなる。
なお、年金給付は支給停止事由が生じた日と支給停止事由が消滅した日が同じ月に属する場合は、支給を停止しないこととされている。

(E)誤り
法131条
老齢基礎年金の受給権者に対し基金が支給する年金は、当該老齢基礎年金がその全額につき支給を停止されている場合を除いては、その支給を停止することができないが、当該年金の額のうち、200円に当該基金に係る加入員期間の月数を乗じて得た額を超える部分については、支給停止することができる。
よって、「400円」とした問題文は誤りとなる。

  

→社会保険労務士試験過去問研究室(国民年金法)に戻る
Copyright (C) 2005 社会保険労務士試験情報局 All Rights Reserved