社会保険労務士試験に楽に合格する方法論を研究するサイト
社会保険労務士試験情報局
トップページ過去問研究室(国民年金法) 令和1年国年-第8問(老齢基礎年金)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■令和1年国年-第8問(老齢基礎年金)

国民年金法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)学生納付特例の期間及び納付猶予の期間を合算した期間を10年以上有し、当該期間以外に被保険者期間を有していない者には、老齢基礎年金は支給されない。なお、この者は婚姻(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合も含む。)したことがないものとする。

(B)日本国籍を有している者が、18歳から19歳まで厚生年金保険に加入し、20歳から60歳まで国民年金には加入せず、国外に居住していた。この者が、60歳で帰国し、再び厚生年金保険に65歳まで加入した場合、65歳から老齢基礎年金が支給されることはない。なお、この者は婚姻(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合も含む。)した
ことがなく、上記期間以外に被保険者期間を有していないものとする。

(C)老齢厚生年金を受給中である67歳の者が、20歳から60歳までの40年間において保険料納付済期間を有しているが、老齢基礎年金の請求手続きをしていない場合は、老齢基礎年金の支給の繰下げの申出をすることで増額された年金を受給することができる。なお、この者は老齢基礎年金及び老齢厚生年金以外の年金の受給権を有していたことがないものとする。

(D)67歳の男性(昭和27年4月2日生まれ)が有している保険料納付済期間は、第2号被保険者期間としての8年間のみであり、それ以外に保険料免除期間及び合算対象期間を有していないため、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていない。この男性は、67歳から70歳に達するまでの3年間についてすべての期間、国民年金に任意加入し、保険料を納付することができる。

(E)障害基礎年金を受給中である66歳の女性(昭和28年4月2日生まれで、第2号被保険者の期間は有していないものとする。)は、67歳の配偶者(昭和27年4月2日生まれ)により生計を維持されており、女性が65歳に達するまで当該配偶者の老齢厚生年金には配偶者加給年金額が加算されていた。この女性について、障害等級が3級程度に軽減したため、受給する年金を障害基礎年金から老齢基礎年金に変更した場合、老齢基礎年金と振替加算が支給される。



■解説

(A)正解
法26条、法附則9条、法附則19条4項(平成16年6月11日法律第104号)、法附則14条3項(平成26年6月11日法律第64号)
保険料納付済期間及び保険料免除期間を合算して10年に満たない場合であっても、合算対象期間を合わせて10年ある場合に老齢基礎年金を支給することとしているが、学生納付特例及び納付猶予の対象となる期間については、対象期間に係る保険料につき追納がなされない限り、年金額計算の基礎としないことになっている。
よって、学生納付特例及び納付猶予の期間については、年金の受給資格期間には算入することとされているが、この期間のみでは、老齢基礎年金は支給されない。

(B)正解
法26条、法附則9条、法附則8条4項(昭和60年5月1日法律第34号)
保険料納付済期間及び保険料免除期間を合算して10年に満たない場合であっても、合算対象期間を合わせて10年ある場合に老齢基礎年金を支給することとしている。
厚生年金保険の被保険者期間のうち20歳未満のもの及び60歳以後のもの、日本国籍を有する者が海外に居住している期間のうち任意加入しなかった期間は合算対象期間となり、年金の受給資格期間には算入することとされているが、この期間のみでは、老齢基礎年金は支給されない。

(C)正解
法28条1項
老齢基礎年金の受給権を有する者であって66歳に達する前に当該老齢基礎年金を請求していなかったものは、厚生労働大臣に当該老齢基礎年金の支給繰下げの申出をすることができる。
その者が65歳に達したときに、他の年金たる給付の受給権者であったとき、又は65歳に達した日から66歳に達した日までの間において他の年金たる給付の受給権者となったときは老齢基礎年金の支給繰下げの申出をすることができないが、他の年金給付のうち、付加年金又は厚生年金保険法による年金たる保険給付のうち老齢を支給事由とするものは含まれないこととされている。
よって、問題文は正解となる。

(D)誤り
法附則11条7項(平成6年11月9日法律第95号)、法附則23条7項(平成16年6月11日法律第104号)
老齢基礎年金等の老齢給付の受給権を有しない者の任意加入者被保険者の特例については、65歳までの任意加入の制度とは異なり、老齢基礎年金等の老齢給付の受給権を取得した者は、任意加入を続けることができないことになっている。
問題文の場合、受給権をするまでの2年間(67歳から69歳まで)について任意加入することが可能である。
よって、「67歳から70歳に達するまでの3年間についてすべての期間」とした問題文は誤りとなる。

(E)正解
法附則14条1項(昭和60年5月1日法律第34号)、法附則16条1項(昭和60年5月1日法律第34号)
老齢基礎年金の振替加算については、その者が障害基礎年金等の給付を受けることができる場合には、当該加算に相当する額の支給を停止することとしている。
問題文の場合は、障害等級が3級程度に軽減し、障害基礎年金が支給停止となるために、障害基礎年金の支給を受けることができるという要件に該当しなくなり、受給する年金を障害基礎年金から老齢基礎年金に変更した場合には、振替加算が加算された老齢基礎年金を受給することができる。
よって、問題文は正解となる。

  

→社会保険労務士試験過去問研究室(国民年金法)に戻る
Copyright (C) 2005 社会保険労務士試験情報局 All Rights Reserved