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トップページ過去問研究室(国民年金法) 令和1年国年-第10問(国民年金の保険料)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■令和1年国年-第10問(国民年金の保険料)

保険料に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)令和元年8月に保険料の免除(災害や失業等を理由とした免除を除く。)を申請する場合は、平成29年7月分から令和2年6月分まで申請可能であるが、この場合、所定の所得基準額以下に該当しているかについては、平成29年7月から平成30年6月までの期間は、平成28年の所得により、平成30年7月から令和元年6月までの期間は、平成29年の所得により、令和元年7月から令和2年6月までの期間は、平成30年の所得により判断する。

(B)国民年金の保険料の前納は、厚生労働大臣が定める期間につき、6月又は年を単位として行うものとされていることから、例えば、昭和34年8月2日生まれの第1号被保険者が、平成31年4月分から令和元年7月分までの4か月分をまとめて前納することは、厚生労働大臣が定める期間として認められることはない。

(C)平成31年4月分から令和2年3月分まで付加保険料を前納していた者が、令和元年8月に国民年金基金の加入員となった場合は、その加入員となった日に付加保険料を納付する者でなくなる申出をしたとみなされるため、令和元年7月分以後の各月に係る付加保険料を納付する者でなくなり、請求により同年7月分以後の前納した付加保険料が還付される。

(D)令和元年10月31日に出産予定である第1号被保険者(多胎妊娠ではないものとする。)は、令和元年6月1日に産前産後期間の保険料免除の届出をしたが、実際の出産日は令和元年11月10日であった。この場合、産前産後期間として保険料が免除される期間は、令和元年10月分から令和2年1月分までとなる。

(E)平成27年6月分から平成28年3月分まで保険料全額免除期間(学生納付特例の期間及び納付猶予の期間を除く。)を有し、平成28年4月分から平成29年3月分まで学生納付特例の期間を有し、平成29年4月分から令和元年6月分まで保険料全額免除期間(学生納付特例の期間及び納付猶予の期間を除く。)を有する者が、令和元年8月に厚生労働大臣の承認を受け、その一部につき追納する場合は、学生納付特例の期間の保険料から優先的に行わなければならない。



■解説

(A)正解
法90条1項、則77条の2、平成26年3月31日厚生労働省告示191号
保険料の免除等を申請できる対象期間は、申請のあった日の属する月の2年2月前(納期限から2年を経過した期間を除く。)の月から当該申請のあった日の属する年の翌年6月(申請のあった日の属する月が1月から6月までである場合にあっては、申請のあった日の属する年の6月)までとされているため、令和元年8月に保険料の免除申請をする場合は、平成29年7月分から令和2年6月分まで申請可能である。
所得基準については、前年の所得が確定するのが6月であることから当該保険料を納付することを要しないものとすべき月の属する年の前年の所得(1月から6月までの月分の保険料については、前々年の所得)で判断されることとされている。
よって、平成29年7月から平成30年6月までの期間は、平成28年の所得、平成30年7月から令和元年6月までの期間は、平成29年の所得、令和元年7月から令和2年6月までの期間は、平成30年の所得で判断されることになる。

(B)誤り
法93条、令7条
保険料の前納は、厚生労働大臣が定める期間につき、6か月又は年を単位として、行うものとされているが、厚生労働大臣が定める期間のすべての保険料(既に前納されたものを除く。)をまとめて前納する場合においては、6か月又は年を単位として行うことを要しないとされている。
昭和34年8月2日生まれの第1号被保険者は、令和元年8月に60歳に到達するため、厚生労働大臣が定める期間として、平成31年4月分から令和元年7月分までの4か月分の前納を認められることがある。
よって、問題文は誤りとなる。

(C)誤り
法87条の2
国民年金基金は付加保険料の代行をするものとされているため、付加保険料を納付する者が国民年金基金の加入員となったときは、その加入員となった日に厚生労働大臣に付加保険料を納付するものでなくなる申出をしたものとみさなれることになっている。この場合、前納していた付加保険料は国民年金基金の加入員となった日の属する月以後の各月に係るものが還付されることになっている。
問題文の場合は、令和元年8月に付加保険料を納付するものでなくなり、請求により令和元年8月分以後の前納した付加保険料が還付されることになる。
よって、「令和元年7月分」とした問題文は誤りとなる。

(D)誤り
法88条の2、則73条の6
出産の予定日(届出を行う前に出産した場合にあっては、出産の日)の属する月(出産予定月)の前月(多胎妊娠の場合においては、3か月前)から出産予定月の翌々月までの期間に係る保険料は免除されることになっている。
問題文の場合は、令和元年10月31日に出産予定であるため、令和元年9月分(出産予定月の前月)から令和元年12月分(出産予定月の翌々月)まで保険料が免除されることになる。
よって、「令和元年10月分から令和2年1月分まで」とした問題文は誤りとなる。

(E)誤り
法94条2項
一般被保険者に係る保険料免除期間と学生納付特例の期間・納付猶予の期間との関係に関して、一般保険料に係る保険料免除期間については、保険料の追納がなされない場合でも、全額免除であれば2分の1の給付が行われるのに対し、学生納付特例の期間・納付猶予の期間については、保険料の追納がなされない場合は老齢基礎年金の額の計算に反映されないため、原則として、学生納付特例の期間・納付猶予の期間について優先的に追納を行うこととされている。
しかしながら、追納の時効間際の免除期間が学生納付特例の期間・納付猶予の期間より前にある場合であっても、学生納付特例の期間・納付猶予の期間の追納を先に行わなければならないために、時効間際の免除期間について追納を行うことができなくなるということを防止するために、学生納付特例の期間・納付猶予の期間より前の保険料免除期間がある場合については、本人が免除期間と学生納付特例の期間・納付猶予の期間のどちらを優先して追納するか選択が行えることとされている。
よって、「学生納付特例の期間の保険料から優先的に行わなければならない。」とした問題文は誤りとなる。

  

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