社会保険労務士試験に楽に合格する方法論を研究するサイト
社会保険労務士試験情報局
トップページ過去問研究室(国民年金法) 平成13年国年-第9問(老齢基礎年金)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成13年国年-第9問(老齢基礎年金)

老齢基礎年金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)繰上げ支給を受けた場合、振替加算も同時に繰り上げて支給される。

(B)20歳以上60歳未満の学生で任意加入しなかった期間のうち合算対象期間とされるのは、昭和36年4月1日から昭和61年3月31日までの期間である。

(C)昭和16年4月2日以後に生まれた者が繰上げ支給を受ける場合、繰上げを請求した日の属する月から65歳に到達する月の前月までの年数に応じて、6%きざみで年金額が減額される。

(D)65歳に達した日の属する月の翌月から死亡した日の属する月まで支給される。

(E)振替加算の支給対象者であって、保険料納付済期間が1年未満であり、合算対象期間と合わせて老齢基礎年金の受給権を取得した者には、振替加算の額のみの老齢基礎年金が支給される。



■解説

(A)誤り
法附則14条(昭和60年5月1日法律第34号)
振替加算は、大正15年4月2日から昭和41年4月1日までに生まれた老齢基礎年金の受給権者が65歳の達した日において次のいずれかの要件に該当するその者の配偶者に生計を維持されており、かつ、65歳に達した日の前日において、次のいずれかの加給年金額の対象となっていたことが必要である。(他にも要件があるので注意)
1.老齢厚生年金(退職共済年金)の計算基礎となった月数が240月(中高齢の期間短縮特例も含む)以上である受給権者
2. 障害厚生年金(障害共済年金)の受給権者(同一の支給事由に基づく障害基礎年金の受給権を有する場合に限る)
そして、振替加算は、老齢基礎年金の繰上げ受給をした場合であっても、65歳になるまでは、行われない。
よって、「振替加算も同時に繰上げ支給される」とした問題文は誤りである。
なお、老齢基礎年金の繰下げ受給した場合は、繰下げ受給を開始したときから振替加算が行われる。(繰下げによる増額はない)

(B)誤り
法附則8条5項1号(昭和60年5月1日法律第34号)、法附則4条1項(平成元年12月22日法律第86号)
20歳以上60歳未満の学生が強制加入となったのは、平成3年4月1日からであり、それまでは任意加入の対象とされていた。
したがって、学生が任意加入しなかった期間のうち、昭和36年4月1日から平成3年3月31日まで期間が合算対象期間とされている。
よって、「昭和36年4月1日から昭和61年4月1日まで」とした問題文は誤りである。

(C)誤り
法附則9条の2第3項・4項、令12条の2
昭和16年4月2日以降に生まれた者が老齢基礎年金の繰上げ支給を受ける場合は、年金額に減額率を乗じて得た額が支給されることになる。
なお、減額率は、1000分の5に当該年金の支給の繰上げを請求した日の属する月から65歳に達する日の属する月の前月までの月数を乗じて計算される。
ようするに、老齢基礎年金の繰上げ請求をした場合は、請求月から65歳到達月の前月までの月数に応じてり0.5%きざみで年金額が減額されることになる。
よって、「年数に応じて6%きざみで年金額が減額される」とした問題文は誤りである。
なお、昭和16年4月1日以前に生まれた者については、請求したときの年齢に応じて、次のように減額率が設定されている。
請求時の年齢 減額率
60歳 42%
61歳 35%
62歳 28%
63歳 20%
64歳 11%

(D)正解
法18条1項、法26条、法29条
年金給付(老齢基礎年金)の支給は、これを支給すべき事由が生じた日(65歳に達した日)の属する月の翌月から始め、権利が消滅した日(死亡した日)の属する月で終るものとされている。

(E)誤り
法27条、法附則14条(昭和60年5月1日法律第34号)、法附則15条(昭和60年5月1日法律第34号)
保険料納付済期間が1月以上あれば老齢基礎年金が支給され、振替加算の支給対象者となっている場合には、振替加算の額も支給される。
よって、保険料納付済期間が1年未満の者について「振替加算の額のみの老齢基礎年金が支給される」とした問題文は誤りである。
なお、振替加算の額のみの老齢基礎年金は、保険料納付済期間及び保険料免除期間(学生等の保険料納付特例期間及び若年者の保険料納付猶予制度の適用をうけた期間は除く)を全く有しない者が振替加算の要件に該当した場合であって、合算対象期間、学生等の保険料納付特例期間、若年者の保険料納付猶予制度の適用をうけた期間を合算した期間だけで原則として25年以上ある場合に支給されるものである。

  

→社会保険労務士試験過去問研究室(国民年金法)に戻る
Copyright (C) 2005 社会保険労務士試験情報局 All Rights Reserved