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トップページ過去問研究室(国民年金法) 平成15年国年-第3問(老齢基礎年金)
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■平成15年国年-第3問(老齢基礎年金)

老齢基礎年金の年金額及び年金額計算における保険料免除期間の扱いに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)保険料の半額免除期間及び学生納付特例期間を有する者が保険料を追納する場合には、追納は学生納付特例期間から先に行う。

(B)保険料半額免除月数は480月から保険料納付月数及び保険料4分の1免除期間の月数を合算した月数を控除して得た月数を限度とし、この限度を超える保険料半額免除月数は4分の1(平成18年7月から特定月の前月までの月分として支給される老齢基礎年金の額を計算する場合については3分の1)とする。(一部改正)

(C)保険料全額免除月数は、480月から保険料納付済期間の月数、保険料4分の1免除期間の月数、保険料半額免除期間の月数及び保険料4分の3免除期間の月数を合算した月数を控除して得た月数を限度とする。(一部改正)

(D)保険料全額免除期間には、学生納付特例期間を含まない。

(E)平成15年度の老齢基礎年金の年金額は、平成13年の年平均の消費者物価指数に対する平成14年の年平均の消費者物価指数の比率であるマイナス0.9%に加え、平成12年度から平成14年度までの3年間据え置かれていたマイナス1.7%とあわせて、改定が行われた。



■解説

(A)正解
法94条2項
保険料の一部につき追納をするときは、追納は、学生等の保険料納付特例又は30歳未満の第1号被保険者の保険料納付猶予制度により納付することを要しないものとされた保険料につき行い、次いで法定免除若しくは申請免除により納付することを要しないものとされた保険料及び保険料の4分の3免除、半額免除、4分の1免除よりその一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料につき行うものとし、これらの保険料のうちにあっては、先に経過した月の分から順次に行うものとされている。(学生等の保険料納付特例又は30歳未満の第1号被保険者の保険料納付猶予制度により保険料が免除された期間については、老齢基礎年金の額に反映しないため、追納する場合は優先的に行うことになっている。)
ただし、学生等の保険料納付特例又は30歳未満の第1号被保険者の保険料納付猶予制度により納付することを要しないものとされた保険料より前に納付義務が生じ、法定免除若しくは申請免除により納付することを要しないものとされた保険料又は保険料の4分の3免除、半額免除、4分の1免除よりその一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料があるときは、当該保険料について、先に経過した月の分の保険料から追納をすることもできる。(追納は承認月の前10年以内しかできないので、前に納付義務が生じた部分については先に追納できるようにしている。)

(B)正解
法27条4号・5号、法附則9条2項(平成16年6月11日法律第104号)
老齢基礎年金の年金額を計算する場合、保険料半額免除期間の月数のうち480月から保険料納付月数及び保険料4分の1免除期間の月数を合算した月数を控除して得た月数を限度とした月数については、その4分の3(平成18年7月から特定月の前月までの月分として支給される老齢基礎年金の額を計算する場合については3分の2)を年金額の計算基礎に算入し、480月から保険料納付月数及び保険料4分の1免除期間の月数を合算した月数を超える部分の保険料半額免除期間の月数については、その4分の1(平成18年7月から特定月の前月までの月分として支給される老齢基礎年金の額を計算する場合については3分の1)を年金額の計算基礎に算入することになっている。
よって、問題文は正解となる。

(C)正解
法27条8号、法附則9条2項(平成16年6月11日法律第104号)
老齢基礎年金の年金額を計算する場合、保険料全額免除期間(学生等の保険料納付特例又は30歳未満の第1号被保険者の保険料納付猶予の期間は除く)の月数のうち480月から保険料納付済期間の月数、保険料4分の1免除期間の月数、保険料半額免除期間の月数及び保険料4分の3免除期間の月数を合算した月数を控除して得た月数を限度とした月数については、その2分の1(平成18年7月から特定月の前月までの月分として支給される老齢基礎年金の額を計算する場合については3分の1)を年金額の計算基礎に算入する。

(D)正解
法27条8号
学生等の保険料納付特例の期間は、受給資格期間には算入されるが、老齢基礎年金の年金額には追納を行わない限り反映されない。
よって、老齢基礎年金の年金額を計算する場合の保険料全額免除期間から学生等の保険料納付特例の期間は除かれることになっている。
なお、30歳未満の第1号被保険者の保険料納付猶予の期間についても、学生等の保険料納付特例の期間と同様に扱われることになっている。(法附則19条1項(平成16年6月11日法律第104号))

(E)誤り
平成15年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律
平成15年度の年金額は、特例法により物価スライドが凍結されていた平成11年、平成12年、平成13年の物価下落率と平成14年の物価下落率との累計(2.6%)となるが、高齢者等の生活への配慮から、特例法により平成14年の物価下落率である0.9%(物価スライド率は0.991%)だけ引き下げられることになった。
よって、「平成12年度から平成14年度までの3年間据え置かれていたマイナス1.7%とあわせて、改定が行われた」とした問題文は誤りである。

(参考書籍)
社会保険のてびき平成15年度版(社会保険研究所)

  

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