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■平成15年国年-第6問(障害基礎年金)

障害基礎年金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)初診日とは、障害の原因となった傷病について、はじめて保険医の診療を受けた日である。

(B)精神の障害は障害基礎年金の対象にならない。

(C)障害認定日には該当する障害の状態にない者が、70歳に達する日の前日までに該当する障害の状態に該当したときは、請求することによって、いわゆる事後重症による障害基礎年金が支給される。

(D)20歳前の傷病による障害基礎年金については、本人と扶養義務者の双方の所得について制限がある。

(E)障害基礎年金の受給者が就職し、厚生年金保険の被保険者となっても、障害基礎年金は全額が支給される。



■解説

(A)誤り
法30条1項
国民年金法では、疾病又は負傷及びこれらに起因する疾病について初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日を初診日と定義している。
よって、「(健康保険法での診療担当者である)保険医」と限定した問題文は誤りとなる。

(B)誤り
法30条2項、令4条の6、令別表(4条の6関係)
「精神の障害であって、前各号と同程度以上と認められる程度のもの」が傷病等級表において定められている。
よって、「精神の障害は障害基礎年金の対象にならない」問題文は誤りである。

(C)誤り
法30条の2
障害認定日において障害等級に該当する程度の障害の状態になかったものが、同日後65歳に達する日の前日までの間において、その傷病により障害等級に該当する程度の障害の状態に該当するに至ったときは、障害基礎年金の支給を請求することができることになっている。(いわゆる事後重症)
よって、「70歳に達する日の前日まで」とした問題文は誤りである。
なお、事後重症の障害基礎年金は請求することにより受給権が発生することになっており、請求があった月の翌月から支給が開始されることになっている。

(D)誤り
法36条の3第1項、令6条
20歳前の傷病による障害基礎年金については、受給権者本人の前年の所得が、その者の所得税法に規定する控除対象配偶者及び扶養親族の有無及び数に応じて、政令で定める額を超えるときは、その年の8月から翌年の7月まで、政令で定めるところにより、その全部又は2分の1(加算額がある場合は、その額から加算額を控除した額の2分の1)に相当する部分の支給を停止することになっている。
よって、「本人と扶養義務者の双方の所得について制限がある」とした問題文は誤りである。

(E)正解
法36条、法36条の2、法36条の3、法36条の4
障害基礎年金は次の場合に支給停止されることになっている。
1. 受給権者が、障害基礎年金の支給対象となった傷病による障害について、労働基準法の規定による障害補償を受けることができるときは、6年間支給停止される。
2. 受給権者が障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなったときは、その障害の状態に該当しない間、支給停止される。
また、20歳前の傷病による障害基礎年金については、他に次のような場合がある。
1.恩給法に基づく年金たる給付、労災保険法の規定に基づく年金たる給付、その他の年金たる給付であって政令で定めるものを受給できるとき
※ただし、これらの給付が全額支給停止されている場合は支給停止されない。(支給停止の事由が労働基準法による障害補償又は遺族補償が行われる場合であるときは除く)
2.監獄、労役場その他これらに準ずる施設の収容されているとき
3.少年院その他これに準ずる施設に収容されているとき
4.日本国内の住所を有しないとき
5.受給権者の前年の所得が政令で定める額を超えるとき
したがって、厚生年金保険の被保険者となった場合は支給停止事由として規定されておらず、障害基礎年金の受給者が就職して厚生年金保険の被保険者となったとしても、そのことをもって支給停止はされない。

  

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