社会保険労務士試験に楽に合格する方法論を研究するサイト
社会保険労務士試験情報局
トップページ過去問研究室(国民年金法) 平成15年国年-第10問(国民年金基金)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成15年国年-第10問(国民年金基金)

国民年金基金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)地域型国民年金基金の加入員は、その者の従事する事業若しくは業務にかかわる職能型国民年金基金に加入を申し出て、両方の加入員となることができる。

(B)国民年金基金は、社会保険庁長官の許可を受けて、国民年金基金連合会に業務の一部を委託することができる。

(C)職能型国民年金基金は、同種の事業又は業務に従事する第1号被保険者で組織され、都道府県ごとに1個とする。

(D)国民年金基金への加入申請時に過去保険料の納付を免除されている期間がある者は、その免除期間につき保険料を追納すればさかのぼって国民年金基金に加入することができる。

(E)国民年金基金が解散した場合、受給権者は基金加入期間を付加保険料納付済期間とみなした、付加年金を支給される。



■解説

(A)誤り
法127条1項
第1号被保険者は、その者が住所を有する地区に係る地域型基金又はその従事する事業若しくは業務に係る職能型基金に申し出て、その加入員となることができる。
ただし、すでに他の基金の加入員であるときは、重ねて基金の加入員になることはできない。
よって、「両方の加入員となることができる」とした問題文は誤りである。

(B)誤り
法128条5項、国基金令20条1項
基金は、政令で定めるところにより、厚生労働大臣の認可を受けて、その業務の一部を信託会社、信託業務を営む金融機関、生命保険会社、農業協同組合連合会、共済水産業協同組合連合会、国民年金基金連合会、日本郵政公社その他の法人に委託することができる。
よって、「社会保険庁長官の許可」とした問題文は誤りである。

(C)誤り
法116条2項、法118条の2
職能型基金は、同種の事業又は業務に従事する第1号被保険者(保険料免除者及び農業者年金の被保険者を除く)をもって組織され、同種の事業又は業務につき全国を通じて1個とされている。
よって、「都道府県ごとに1個」とした問題文は誤りである。
なお、地域型基金は、都道府県内に住所を有する第1号被保険者(保険料免除者及び農業者年金の被保険者を除く)で組織され、都道府県につき1個とされている。

(D)誤り
法116条1項、法127条2項
国民年金基金に加入の申出をした者は、その申出をした日に加入員の資格を取得することになるが、保険料の納付を免除されている場合は、国民年金基金の加入員になることはできない。
また、保険料免除期間について追納した場合であっても、遡及して基金の加入員になることはできない。
よって、「保険料を追納すればさかのぼって国民年金基金に加入することができる」とした問題文は誤りである。
なお、加入員が免除保険料の追納を行った場合は追納日の属する月から、また免除保険料を追納した後に加入員となった場合は加入日の属する月から、保険料の免除を受けていたために国民年金基金の加入員になることができなかった期間に相当する期間(60月が限度)について、基金の掛金の上限額を通常の掛金(1月68,000円)より多くする(1月102,000円)ことができる。(国基金令35条)

(E)正解
法45条、法137条の19第3項
国民年金基金が解散したときは、解散基金の加入員期間のうち、国民年金基金連合会がその支給に関する義務を負っている年金額の基礎となる期間を除いたもの(保険料納付済期間である期間に限る)を付加保険料納付済期間とみなして、政府が付加年金を支給することになっている。
一方、国民年金基金連合会が解散した基金の権利義務を承継し、その支給に関する義務を負っている場合は、その期間について国民年金基金連合会が付加年金相当額(200円に当該解散した基金に係る加入員期間の月数を乗じて得た額)を支給することになっている。
よって、問題文は正しい肢となる。

  

→社会保険労務士試験過去問研究室(国民年金法)に戻る
Copyright (C) 2005 社会保険労務士試験情報局 All Rights Reserved