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■平成18年国年-第9問(国民年金の保険料免除等)

国民年金の保険料免除等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)申請免除及び学生等の納付特例の期間は、申請した日の属する月の前月から厚生労働大臣の指定する月までである。(一部改正)

(B)学生等の納付特例の対象になる学生には、原則として夜間部の大学生や各種学校の学生は含まれない。

(C)学生等の納付特例を受けた期間又は30歳未満の若年者の保険料納付猶予を受けた期間は、老齢基礎年金及び寡婦年金の年金額の算定対象から除外される。

(D)免除月に係る保険料を追納する場合は、厚生労働大臣の承認を受けて、承認月前10年以内の期間について、学生等の納付特例期間又は若年者の納付猶予期間、次いで全額免除期間又は一部免除期間の順に行うこととされ、この順序は変更できないものとされている。(一部改正)

(E)免除月の属する年度の4月1日から起算して2年以上経過後の年度に免除月に係る保険料を追納する場合の保険料の額は、当該免除月に係る保険料額にそれぞれ経過年数に対応する追納加算率を乗じて得た額を加算した額とされている。



■解説

(A)誤り
法90条1項、法90条の3
申請免除及び学生等の納付特例の期間は、厚生労働大臣が指定する期間とされている。
よって、「申請した日の属する月の前月から厚生労働大臣の指定する月まで」とした問題文は誤りである。
なお、平成17年4月前については、申請免除の期間は、「申請した日の属する月の前月から社会保険庁長官の指定する月まで」とされており、具体的には、前年の所得が確定するのが6月であるため社会保険庁長官の指定する月は、申請日の属する年の6月(申請日の属する月が7月から12月である場合は、翌年の6月)とされていたため、免除の申請が遅れた場合には、遡及して免除されなかった。
しかしながら、申請が遅れた場合でも、免除の一般的な要件となる前年の所得に変更はないことから、法改正により、平成17年4月以降は、申請免除の承認期間の始期について、申請月の直前の7月に遡及することができることになり、被保険者でなくなったときにも遡及申請することができるようになった。(学生等の納付特例期間も同様)

(B)誤り
法90条の3第1項、令6条の6第8号、則77条の6第1項
学生等の納付特例の対象になる学生には、原則として夜間部、定時制、通信制、各種学校の学生も含まれることになっている。
よって、「夜間部の大学生や各種学校の学生は含まれない」とした問題文は誤りである。

(C)正解
法27条、法50条、法90条、法90の3、法附則19条4項(平成16年6月11日法律第104号)
学生等の納付特例を受けた期間又は30歳未満の若年者の保険料納付猶予を受けた期間は、老齢基礎年金の受給資格期間には算入されるが、老齢基礎年金(寡婦年金も同様)年金額算定上の対象期間とはされないこととされている。
よって、問題文は正解である。
なお、納付しなかった保険料は、10年以内であれば追納が可能であり、追納があった場合は、保険料納付済期間に算入されることになる。

(D)誤り
法94条2項
保険料免除期間(学生納付特例期間及び若年者納付猶予期間)については、厚生労働大臣の承認を受け、承認月前10年以内の期間について、免除月に係る保険料を追納することができるが、この場合に追納を行う順序については、原則として、まず学生等の納付特例を受けた期間又は30歳未満の若年者の保険料納付猶予を受けた期間を優先とし、同種の免除期間については、先に経過した月分から追納することとされている。
これは、保険料免除期間については、追納がなくても国庫負担相当分の給付を受けることができるが、学生納付特例期間及び若年者納付猶予期間については追納がなされない限り、年金額の計算に反映されないからである。
なお、時効の関係で、先に経過した期間から優先的に保険料を納める必要がある場合を考慮して、追納を行う場合に学生納付特例期間及び若年者納付猶予期間よりも前の保険料免除期間がある場合については、本人が保険料免除期間について追納するのか、学生納付特例期間及び若年者納付猶予期間について追納するのか、どちらを優先するのかの選択が行えることになっている。
よって、「この順序は変更できないものとされている」とした問題文は誤りである。

(E)誤り
法94条3項、令10条
免除月の属する年度の4月1日から起算して3年以上経過後の年度に免除月に係る保険料を追納する場合の保険料の額は、当該免除月に係る保険料額にそれぞれ経過年数に対応する追納加算率を乗じて得た額を加算した額とされている。
よって、「2年以上経過後」とした問題文は誤りである。
なお、免除を受けた者が追納する場合の保険料には、追納する年度に応じて計算された一定額の加算を行うこととされているのは、保険料免除を受けた者と、免除を受けずに保険料を納付した者との均衡、及び運用収入の確保からという観点からである。
しかしながら、保険料の免除を受けなかった者については、保険料の徴収権が時効消滅するまでの2年間は、本来の保険料額による納付が可能であることを考慮して、保険料の免除を受けた年度の翌々年度までに追納した場合には加算額はゼロとし、免除を受けた年度から起算して4年度目に追納する場合に初めて加算が行われることとされている。

  

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