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トップページ過去問研究室(国民年金法) 平成19年国年-第5問(総則等)
■社会保険労務士試験過去問研究室





次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)国民年金事業の事務の一部は、政令の定めるところにより、法律によって組織された共済組合、国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合連合会、日本私立学校振興・共済事業団にのみ行わせることができる。

(B)事業主は、使用する第2号被保険者の被扶養配偶者である第3号被保険者に関して、経由に係る事務の一部を、当該事業主が設立する健康保険組合に委託することができる。健康保険組合が設立されていない事業所においては、全国健康保険協会管掌健康保険の保険者に委託することができる。(一部改正)

(C)国民年金の保険料における保険料改定率は、平成18年度以降、毎年度、当該年度の前年度の保険料改定率に名目手取り賃金変動率を乗じて得た率を基準として改定され、政令で定めることとされている。

(D)国民年金基金の役員及び国民年金基金に使用され、その事務に従事する者は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなされる。

(E)政府は、国民年金事業の財政が、財政均衡期間の終了時に給付の支給に支障が生じないようにするため必要な積立金を保有しつつ、当該財政均衡期間にわたってその均衡を保つことができないと見込まれる場合には、年金たる給付(付加年金を含む。)の額を調整するものとする。



■解説

(A)誤り
法3条2項
国民年金事業の事務の一部は、政令の定めるところにより、法律によって組織された共済組合、国家公務員共済組合連合会、全国市町村職員共済組合連合会、地方公務員共済組合連合会又は日本私立学校振興・共済事業団に行わせることができるとされている。
よって、問題文の記述に「全国市町村職員共済組合連合会」が抜けているため誤りとなる。

(B)誤り
法12条8項
被保険者の資格得喪等の届出については市町村長に提出することとされているが、第3号被保険者に係る届出については、配偶者である第2号被保険者を使用する事業主又は共済組合等を経由して厚生労働大臣に届出ることになっている。
そして、第2号被保険者を使用する事業主は、経由に係る事務の一部を当該事業主が設立する健康保険組合に委託することができるが、健康保険組合が設立されていない事業所において、当該経由に係る事務の一部を全国健康保険協会管掌健康保険の保険者に委託することができる規定は設けられていない。
よって、「健康保険組合が設立されていない事業所においては、全国健康保険協会管掌健康保険の保険者に委託することができる。」とした問題文は誤りとなる。

(C)誤り
法87条4項・5項・6項
国民年金の保険料における保険料改定率は、平成17年度における保険料改定率を1とし、平成18年度以降については各年度の前年度の保険料改定率に名目賃金変動率を乗じた率を基準として改定され、政令で定めることになっている。
よって、「名目手取り賃金変動率」とした問題文は誤りである。
なお、国民年金保険料については1年前から保険料の割引前納を認めているため、名目賃金変動率は前々年の物価変動率に4年前の年度の実質賃金変動率を乗じたものとなる。(3年前、4年前、5年前の3年平均)

(D)正解
法126条
国民年金基金の役員及び国民年金基金に使用され、その事務に従事する者は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなされることになっている。
よって、問題文は正解となる。

(E)誤り
法16条の2
政府は、国民年金事業の財政が、財政均衡期間の終了時に給付の支給に支障が生じないようにするため必要な積立金を保有しつつ、当該財政均衡期間にわたってその均衡を保つことができないと見込まれる場合には、年金たる給付(付加年金を除く。)の額を調整するものとされている。
よって、「年金たる給付(付加年金を含む。)」とした問題文は誤りである。
なお、年金たる給付から付加年金を除く理由は、付加年金が老齢基礎年金の上乗せ給付であり、第1号被保険者のみ加入であること、また、積立方式で運営されており物価スライド率等は適用されないなど他の公的年金とは異なる性格を有することによるものとされている。

  

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