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■平成28年国年-第3問(国民年金の給付)

国民年金の給付に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)被保険者である妻が死亡した場合について、死亡した日が平成26年4月1日以後であれば、一定の要件を満たす子のある夫にも遺族基礎年金が支給される。なお、妻は遺族基礎年金の保険料納付要件を満たしているものとする。

(B)被保険者、配偶者及び当該夫婦の実子が1人いる世帯で、被保険者が死亡し配偶者及び子に遺族基礎年金の受給権が発生した場合、その子が直系血族又は直系姻族の養子となったときには、子の有する遺族基礎年金の受給権は消滅しないが、配偶者の有する遺族基礎年金の受給権は消滅する。

(C)子に対する遺族基礎年金は、原則として、配偶者が遺族基礎年金の受給権を有するときは、その間、その支給が停止されるが、配偶者に対する遺族基礎年金が国民年金法第20条の2第1項の規定に基づき受給権者の申出により支給停止されたときは、子に対する遺族基礎年金は支給停止されない。

(D)20歳前傷病による障害基礎年金は、その受給権者が刑事施設等に拘禁されている場合であっても、未決勾留中の者については、その支給は停止されない。

(E)受給権者が子3人であるときの子に支給する遺族基礎年金の額は、780,900円に改定率を乗じて得た額に、224,700円に改定率を乗じて得た額の2倍の額を加算し、その合計額を3で除した額を3人の子それぞれに支給する。



■解説

(A)正解
法37条の2第1項、法附則1条(平成24年8月22日法律第62号)
法改正により死亡日が平成26年4月1日以後であれば、支給要件を満たす限り、子のある夫についても遺族基礎年金を受給できる遺族の範囲に含まれることとなった。
よって、問題文は正解となる。

(B)正解
法39条3項、法40条1項
遺族基礎年金の受給権は、受給権者が養子となったときは消滅するが、直系血族又は直系姻族の養子となった場合は消滅しないことになっているので、子に対する遺族基礎年金は消滅しない。
しかしながら、子が配偶者以外の者の養子(直系血族又は直系姻族の養子となった場合も同様)となった場合は子の加算額の減額事由(法39条3項3号)の対象となり、すべての子が配偶者以外の者の養子となった場合には、「子のある配偶者」でなくなることになり、配偶者の遺族基礎年金の受給権は消滅することになる。
よって、問題文は正解となる。

(C)正解
法41条2項
遺族基礎年金が配偶者に支給される間は、子に支給する遺族基礎年金は支給停止されることになっているが、遺族基礎年金を受給していた配偶者が申出たことにより支給停止された場合は、子に対する遺族基礎年金が支給される。
よって、問題文は正解となる。

(D)正解
法36条の2第1項、則34条の4第1項、平成17年3月29日庁保発第329003号・保発第329003号
20歳前障害に係る障害基礎年金は、受給権者が刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されているときは支給停止されることとされているが、刑事手続きにおいては、有罪の判決が確定するまでは罪を犯した者として取り扱うことはしないという原則があり、また、その人と生計を一にしていた家族がいる場合への家族への配慮という点から、有罪が確定するまでの未決拘留中の者については支給停止は行わないこととされている。
よって、問題文は正解となる。

(E)誤り
法39条の2第1項
受給権者が子3人であるときの子に支給する遺族基礎年金の額は、780,900円に改定率を乗じて得た額に、224,700円に改定率を乗じて得た額と74,900円に改定率を乗じて得た額を加算し、その合計額を3で除した額を3人の子それぞれに支給することになる。
よって、「224,700円に改定率を乗じて得た額の2倍の額」とした問題文は誤りとなる。

  

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