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トップページ過去問研究室(国民年金法) 平成29年国年-第8問(第1号被保険者の独自給付等)
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■平成29年国年-第8問(第1号被保険者の独自給付等)

国民年金法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間を3年以上有し、老齢基礎年金の受給権取得当時から申出により当該老齢基礎年金の支給が停止されている者が死亡した場合には、一定の遺族に死亡一時金が支給される。

(B)妻が繰上げ支給の老齢基礎年金を受給中に、一定要件を満たした第1号被保険者の夫が死亡した場合、妻には寡婦年金を受給する権利が発生し、繰上げ支給の老齢基礎年金か寡婦年金かのどちらかを受給することができる。

(C)脱退一時金の請求について、日本国籍を有しない者が、請求の日の前日において請求の日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間の月数を3か月及び保険料半額免除期間の月数を6か月有する場合、この者は、当該請求に必要な保険料の納付の要件を満たしている。

(D)一定要件を満たした第1号被保険者の夫が死亡し、妻が遺族基礎年金の受給権者となった場合には、妻に寡婦年金が支給されることはない。

(E)寡婦年金及び付加年金の額は、毎年度、老齢基礎年金と同様の改定率によって改定される。



■解説

(A)誤り
法52条の2第1項、令4条の4の2第1項
死亡一時金は第1号被保険者としての保険料納付済期間が36月以上ある者について、その者の死亡に基づき支給されることになっているが、老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがある者が死亡したときには支給されない。受給権者の申出により老齢基礎年金が支給停止されている場合は、死亡一時金の支給の要件を見る場合、老齢基礎年金を受給していたものとみなされるため、死亡一時金は支給されない。
よって、問題文は誤りとなる。

(B)誤り
法49条、法附則9条の2の3
寡婦年金は、死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者(任意加入被保険者を含む。)としての被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上である夫(保険料納付済期間又は学生納付特例期間及び納付猶予期間以外の保険料免除期間を有する者に限る。)が死亡した場合において、夫の死亡の当時夫によって生計を維持し、かつ、夫との婚姻関係(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)が10年以上継続した65歳未満の妻があるときに支給されることになっている。老齢基礎年金の繰上げ支給を受けた者については、寡婦年金の支給要件の規定上では、65歳に達している者と同様とするという考え方で扱うこととし、寡婦年金は支給されないことになっている。
よって、問題文は誤りとなる。

(C)正解
法附則9条の3の2第1項
脱退一時金の支給要件は、(1)請求のときに日本国籍を有していないこと、(2)国民年金第1号被保険者としての被保険者期間が6か月以上あること、(3)老齢基礎年金等の保険料納付要件を満たしていないこと、(4)脱退一時金の支給を請求したこととなっている。
このうち、国民年金第1号被保険者としての被保険者期間が6か月以上あることの要件は、請求の日の前日において請求の日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済月数、保険料4分の1免除期間の月数の4分の3に相当する月数、保険料半額免除期間の月数の2分の1に相当する月数、保険料4分の3免除期間の月数の4分の1に相当する月数を合算した額が6か月以上あるかどうかで判断される。
問題文の場合、保険料納付済月数3か月と保険料半額免除期間6か月なので、被保険者期間は、3か月+3か月(6か月×2分の1)で6か月となる。
よって、問題文は正解となる。

(D)誤り
法49条1項
それぞれの支給要件を満たした場合は、遺族基礎年金と寡婦年金の受給権が発生するため、遺族基礎年金を受けてから子が一定年齢に達したこと等により失権したあと、寡婦年金の支給を受けることもできる。なお、遺族基礎年金と寡婦年金の両方を受給できる場合は選択受給することとなる。
よって、問題文は誤りとなる。

(E)誤り
法44条、法50条
寡婦年金の年金額については、第1号被保険者としての保険料納付済期間及び免除期間を基礎として、老齢基礎年金相当額を算出し、その額の4分の3に相当する額とされているため、改定率により改定される。
一方、付加年金の額は、200円に付加保険料納付月数を乗じて得た額とされているため、改定率により改定されない。
よって、問題文は誤りとなる。

  

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