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トップページ過去問研究室(国民年金法) 平成30年国年-第8問(遺族基礎年金等)
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■平成30年国年-第8問(遺族基礎年金等)

遺族基礎年金等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、本問における子は18歳に達した日以後の最初の3月31日に達していないものとする。

(A)第1号被保険者としての保険料納付済期間を15年有し、当該期間以外に保険料納付済期間、保険料免除期間及び合算対象期間を有しない老齢基礎年金を受給中の66歳の者が死亡した。死亡の当時、その者に生計を維持されていた子がいる場合は、当該子に遺族基礎年金が支給される。

(B)夫の死亡により妻と子に遺族基礎年金の受給権が発生し、子の遺族基礎年金は支給停止となっている。当該妻が再婚した場合、当該妻の遺族基礎年金の受給権は消滅し、当該子の遺族基礎年金は、当該妻と引き続き生計を同じくしていたとしても、支給停止が解除される。

(C)夫が死亡し、その死亡の当時胎児であった子が生まれ、妻に遺族基礎年金の受給権が発生した場合、当該受給権の発生日は当該夫の死亡当時に遡ることとなり、当該遺族基礎年金は当該子が出生するまでの期間、支給停止され、当該子の出生により将来に向かって支給停止が解除される。なお、当該子以外に子はいないものとする。

(D)夫の死亡により、夫と前妻との間に生まれた子(以下「夫の子」という。)及び妻(当該夫の子と生計を同じくしていたものとする。)に遺族基礎年金の受給権が発生した。当該夫の子がその実母と同居し、当該妻と生計を同じくしなくなった場合、当該妻の遺族基礎年金の受給権は消滅するが、当該夫の子の遺族基礎年金の受給権は消滅しない。なお、当該夫の子以外に子はいないものとする。

(E)第2号被保険者である40歳の妻が死亡したことにより、当該妻の死亡当時、当該妻に生計を維持されていた40歳の夫に遺族基礎年金の受給権が発生し、子に遺族基礎年金と遺族厚生年金の受給権が発生した。この場合、夫の遺族基礎年金は支給停止となり、子の遺族基礎年金と遺族厚生年金が優先的に支給される。



■解説

(A)誤り
法37条、法附則9条1項
老齢基礎年金の受給権者が死亡したときに、死亡の当時その者によって生計を維持していた配偶者又は子に遺族基礎年金が支給されるためには、保険料納付済期間、保険料免除期間及び合算対象期間を合算した期間が25年以上ある老齢基礎年金の受給権者でなければならない。
よって、問題文の子に遺族基礎年金は支給されない。

(B)誤り
法40条1項、法41条2項
子に対する遺族基礎年金は配偶者が遺族基礎年金の受給権を有するとき、生計を同じくする父若しくは母があるときは支給停止されることになっている。
よって、「支給停止が解除される。」とした問題文は誤りとなる。
なお、遺族基礎年金の支給を受ける配偶者が他の年金給付の支給を受けることになり、当該遺族基礎年金が全額支給停止される場合であっても遺族基礎年金の受給権は消滅しないため、子に対する遺族基礎年金は支給停止される。

(C)誤り
法37条の2第2項
被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時胎児であった子が生まれたときは、将来に向かって、その子は、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持していたものとみなし、配偶者は、その者の死亡の当時その子と生計を同じくしていたものとみなされることになっている。
よって、受給権の発生日は子が出生した日となるため、問題文は誤りとなる。

(D)正解
法39条3項、法40条
妻の遺族基礎年金の受給権は、夫の子と生計を同じくしなくたったときに消滅する。子の遺族基礎年金の受給権は、実母と同居したとしても消滅しない。
よって、問題文は正解となる。

(E)誤り
法41条2項、厚生年金法59条1項
子に対する遺族基礎年金は配偶者が遺族基礎年金の受給権を有するとき、生計を同じくする父若しくは母があるときは支給停止されることになっている。
問題文の場合、夫が遺族基礎年金の受給権を有しているため、子に対する遺族基礎年金は支給停止となる。なお、子は遺族厚生年金を受給することになる。
よって、問題文は誤りとなる。

  

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