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■社会保険労務士試験過去問研究室




■令和1年厚年-第2問(法令全般関係)

厚生年金保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)厚生年金保険の標準報酬月額は標準報酬月額等級の第1級88,000円から「第32級650,000円」まで区分されており、この等級区分については毎年3月31日における全被保険者の標準報酬月額を平均した額の100分の200に相当する額が標準報酬月額等級の最高等級の標準報酬月額を超える場合において、その状態が継続すると認められるときは、その年の4月1日から、健康保険法第40条第1項に規定する標準報酬月額の等級区分を参酌して、政令で、当該最高等級の上に更に等級を加える標準報酬月額の等級区分の改定を行うことができる。(一部改正)

(B)被保険者の使用される船舶について、当該船舶が滅失し、沈没し、又は全く運航に堪えなくなるに至った場合には、事業主は当該被保険者に係る保険料について、当該至った日の属する月以降の免除の申請を行うことができる。

(C)厚生年金保険の保険料率は段階的に引き上げられてきたが、上限が1000分の183.00 に固定(統一)されることになっている。第1号厚生年金被保険者の保険料率は平成29年9月に、第2号及び第3号厚生年金被保険者の保険料率は平成30年9月にそれぞれ上限に達したが、第4号厚生年金被保険者の保険料率は平成31年4月12日時点において上限に達していない。

(D)被保険者であった妻が死亡した当時、当該妻により生計を維持していた54歳の夫と21歳の当該妻の子がいた場合、当該子は遺族厚生年金を受けることができる遺族ではないが、当該夫は遺族厚生年金を受けることができる遺族である。

(E)育児休業期間中の第1号厚生年金被保険者に係る保険料の免除の規定については、任意単独被保険者は対象になるが、高齢任意加入被保険者はその対象にはならない。



■解説

(A)誤り
法20条2項
厚生年金保険の標準報酬月額は標準報酬月額等級の第1級88,000円から第32級650,000円まで区分されており、この等級区分については毎年3月31日における全被保険者の標準報酬月額の平均額の100分の200に相当する額が標準報酬月額等級の最高等級の標準報酬月額を上回り、当該状態が継続するものと見込まれる場合においては、その年の9月1日から政令で、最高等級の上に等級を追加することができることになっている。
なお、等級を追加する場合においては、健康保険法の標準報酬月額等級を参酌するものとされている。
よって、「その年の4月1日」とした問題文は誤りとなる。

(B)誤り
法85条
被保険者の使用される船舶について船舶所有者の変更があった場合、又は当該船舶が滅失し、沈没し、若しくは全く運航に堪えなくなるに至った場合は、保険料の繰上徴収の対象になるが、保険料免除になる規定はない。
よって、問題文は誤りとなる。

(C)正解
法81条4項、法附則83条(平成24年8月22日法律第63号)、法附則84条(平成24年8月22日法律第63号)、法附則85条(平成24年8月22日法律第63号)
厚生年金保険の保険料率の上限が1000分の183.00 に固定(統一)されたのは、第1号厚生年金被保険者の保険料率が平成29年9月、第2号及び第3号厚生年金被保険者の保険料率が平成30年9月である。第4号厚生年金被保険者の保険料率は段階的に引き上げられ、令和9年4月に1000分の183.00に固定される予定とされている。
よって、問題文は正解となる。

(D)誤り
法59条1項
遺族厚生年金の対象となる遺族のうち、夫、父母、祖父母については、被保険者等が死亡した当時に55歳以上であることが要件となっている。
また、子又は孫については、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか、又は20歳未満で障害等級の1級若しくは2級に該当する障害の状態にあり、かつ、現に婚姻をしていないことが要件となっている。
よって、問題文の夫及び子はいずれも遺族厚生年金の対象とならず、問題文は誤りとなる。

(E)誤り
法81条の2
育児休業期間中の第1号厚生年金被保険者に係る保険料の免除の規定については、任意単独被保険者及び高齢任意加入被保険者も保険料免除の対象になる。
よって、「高齢任意加入被保険者はその対象にはならない。」とした問題文は誤りとなる。
 

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